まほやくのイベントは、タイトルがおしゃれですよね。ひとめ見ただけで「素敵!」と言いたくなるものや、ストーリーを読んでみるとより深みが増したりなど。ところで、「エチュード」や「バラッド」など、なんだか聞き馴染みのある音楽用語も、ちらほらと見かけますね。
今回はそれら音楽用語を冠したイベントタイトルの意味を調査!タイトルに隠された意味や、規則性を辿りながら、よりイベストを楽しんでいきましょう!
ここからはネタバレが含まれますのでご注意を!
それでは、レッツゴー!
音楽用語の意味
「○○のプレリュード」や「○○のエチュード」などは、基本的に2つの国が登場する、国別物語になっています。最近はちょっと違う形態になりつつありますね。イベントタイトルに登場する音楽用語はこちら。
- プレリュード(前奏曲)
- エチュード(練習曲)
- バラッド(物語詩)
- コンチェルト(協奏曲)
- ラプソディ(狂詩曲)
- ファンタジア(幻想曲)
- ソナチネ(小ソナタ)
- オブリガート(不可欠なメロディー)
それでは、それぞれ意味を深掘りしていきましょう!
祝祭シリーズ:プレリュード(前奏曲)
まずプレリュードですが、まほやく初のイベント、祝祭シリーズのタイトルとなっています。
- 欲望と祝祭のプレリュード〜西の国&東の国〜
- 正義と祝祭のプレリュード〜中央の国&南の国〜
- 奇跡と祝祭のプレリュード〜東の国&北の国〜
- 親愛と祝祭のプレリュード〜南の国&西の国〜
- 矜持と祝祭のプレリュード〜北の国&中央の国〜
プレリュードとは前奏曲のこと。メインの大規模な楽曲のまえに、リュートというギターのような弦楽器や、鍵盤楽器によって、即興で演奏される曲のことです。本来は即興曲が多かったのですが、のちに楽譜として書き留められるようになっていったといいます。
メインの音楽へといざなう序曲として、まほやくのイベントの始まりを告げるのにふさわしいタイトルですね。
ただ、実は物語の時系列的には、このあと開催されるエチュードの方が先になります。これがイベントのタイトルとして、流れが美しいのです。
初めての訓練シリーズ:エチュード(練習曲)
続いてエチュードですが、これは祝祭シリーズの後に、季節イベントと代わりばんこで開催された「初めての訓練シリーズ」のタイトルになりました。
- 悪戯好きな仮面のエチュード〜西の国&南の国〜
- 孤高な盗賊のエチュード〜北の国&西の国〜
- 神聖なる宝剣のエチュード〜中央の国&東の国〜
- 雨宿りのカエルのエチュード〜南の国&北の国〜
- 哀愁のひまわりのエチュード〜東の国&南の国〜
これらのイベントは、物語上の時系列は、祝祭イベントの前。魔法使い達が、初めて任務に挑戦する物語です。このあと、魔法舎に依頼が来すぎてやってられん!ちょっと世界を落ち着かせなければ!ということで、各国で祝祭を行う、祝祭シリーズへと繋がるのです。
エチュードとは練習曲のこと。起伏のあるメロディー調の曲もありますが、どちらかというと運指の練習などを目的とした、反復練習ができる曲が多いです。なので、演奏会などで聞く機会はほぼないです。が、一部、リスト作「超絶技巧練習曲」なんかは、演奏会でも人気ですね。のだめカンタービレで一気に知名度が上がったような気がします。
魔法使い達の初任務。先生役の魔法使い達に見守られて、若い魔法使い達が任務にあたるストーリーに、エチュード(練習曲)はピッタリですね。物語の時系列的に、エチュード(練習曲)で練習してから、演奏会本番のプレリュード(前奏曲)に向かう、という流れはとてもしっくりきます。なんだかいい感じ。
依頼人シリーズ:バラッド(物語詩)
続いてはバラッド。「依頼人シリーズ」のイベントのタイトルとなっています。
- 純真な機織りのバラッド〜北の国&東の国〜
- 夢抱く飛行士のバラッド〜西の国&中央の国〜
- 極光祈る犬使いのバラッド〜中央の国&西の国〜
- 勇敢な開拓者のバラッド〜南の国&北の国〜
- 誇り高き狩人のバラッド〜東の国&南の国〜
これらのイベントは、「純真な機織りのバラッド」に登場するエマや、「夢抱く飛行士のバラッド」に登場するベンジャミンなど、魔法舎に依頼人がやってくるストーリーとなっています。
バラッドとは物語詩のこと。歌が1つの物語調となっているのです。有名どころでいうと、ゲーテ作詞、シューベルト作曲の魔王でしょうか。「お父さんそこに見えないの。魔王が居る。怖いよ」っていう歌詞のあの曲です。
シノの育成スポットである「シャーウッドの森」のモデルかも?といわれているロビンフッドの物語は、このバラッドが発祥ではないか、ともいわれています。
バラッドにはいくつか共通する特徴があり、まずは物語が組み込まれている事。そして、物語の語り手として、第三者が登場することです。ゲーテ作の魔王でも、ラストに語り手が「お父さん、お父さん、魔王が今坊やをつかんで連れてゆく~」と、物語を締めくくっています。
こうしてみると、まほやくのバラッドのイベストでは、依頼人である第三者が必ず登場し、その第三者視点のシーンも描かれています。つまり、賢者や魔法使いとは異なる第三者、語り手というわけですね。それもあり、「依頼人シリーズ」にはバラッドが名付けられたのでしょう。うーん、奥深い。
職業シリーズ:コンチェルト(協奏曲)
お次はコンチェルト。「職業シリーズ」のタイトルとなっています。
- 音楽家と狂騒のコンチェルト〜西の国&北の国〜
- 生徒と別れのコンチェルト〜南の国&中央の国〜
- 呪い屋と孤月のコンチェルト〜東の国&西の国〜
- 占い師と雪解のコンチェルト〜北の国&南の国〜
- 騎士と信義のコンチェルト〜中央の国&東の国〜
これらのイベントは、お当番キャラクターの職業にちなんだストーリーが展開されていきます。ラスティカであれば「音楽家」、ミチルは「生徒」、ファウストは「呪い屋」、スノウは「占い師」、カインは「騎士」となっています。
そのため、お当番キャラクターをメインに、周りのキャラクター達と物語を紡いでいく、というイメージが強いですね。これが「コンチェルト」の特徴でもあるのです。
コンチェルトとは協奏曲のこと。協奏曲とは、メインとなるソロ楽器+オーケストラという構成曲のこと。基本的に一人がメインのメロディーを奏で、一緒にオーケストラが演奏する、という感じ。ソロと伴奏が協力するから、協奏曲なんですね。
職業シリーズでは、お当番キャラクターにスポットをあてつつ、周りのキャラクター達と物語を紡いでいきます。このスタイルがまさにコンチェルト(協奏曲)というわけですね。
私たちの世界で有名な曲といえば、ヴィヴァルディ作「四季」でしょうか。だれもが一度は聞いたことがあるはず!
場所シリーズ:ラプソディ(狂詩曲)
次はラプソディ。「場所シリーズ」のイベントタイトルとなっています。
- 慕情燃える海街のラプソディ〜西の国&南の国〜
- 流星かける橋のラプソディ〜中央の国&北の国〜
- 祈り咲く雪街のラプソディ〜北の国&西の国〜
- 花根付く診療所のラプソディ~南の国&東の国~
- 夕陽笑む温室のラプソディ~東の国&中央の国~
これらは、シャイロックの店がある神酒の歓楽街や、スノウ・ホワイトが守護している雪の街など、魔法使い達がもともと住んでいた場所や、ゆかりの深い場所にまつわるお話となっています。
ラプソディとは狂詩曲のこと。なんだかすごそうな曲ですが、どれもこれも狂っているわけではありません。狂詩曲とは、自由奔放に曲調が変わる曲のこと。それぞれ異なる曲調をメドレーのように繋いだ曲のことです。バラバラな曲が繋がれて、ひとつの曲になる。なんだか魔法使いみたいでいいですねえ。
私たちの世界だと、ハンガリー狂詩曲やラプソディ・イン・ブルーなんかが有名でしょうか。点で異なる曲たちが、メドレーのように連なっています。
では、イベントストーリーとどんなかかわりがあるかというと・・・・ぶっちゃけ、わからなかったです!!!笑
いや、そんなことある?って感じですが、わからなかったんですよ・・・いやーきちんと意図を汲み取れてなかったら申し訳ないです。これは引き続きストーリーを読み返したりして、考察を進めていこうと思います。何か気づいたことがあれば、ぜひコメントをお待ちしています!
専門店シリーズ:ファンタジア(幻想曲)
お次はファンタジア。「専門店シリーズ」のタイトルとなっています。
- 銀宿る卵屋のファンタジア〜東の国&北の国〜
- 妄念眠る宿屋のファンタジア~北の国&南の国~
- 夢守る曲技団のファンタジア〜西の国&中央の国〜
- 軌跡記す本屋のファンタジア~中央の国&西の国~
- 昔日届く工匠のファンタジア〜南の国&東の国〜
魔法使いが営む銀細工店や、魔法使いが管理する別荘兼宿屋、魔法使いが率いる曲技団など、魔法使いによる専門店が舞台となっています。ライオン像が動いたり、本が宙を舞ったり…魔法使いが店主ということもあり、ひときわファンタジー色が強いお話が多いですね。
イベントタイトルのファンタジアとは、幻想曲のこと。幻想曲は実はちょっと一般的な分類が難しい曲です。定義としては、「作曲者の自由な想像力によって創作される器楽作品の名称」なのですが、「自由な想像力」とは・・・?となりますね。
基本的に、曲のタイトルは作曲者がつけることになります。なので、モーツァルトが自分の作ったものに、「この曲は幻想曲だ!」といえば幻想曲になります。17~18世紀当時、ソナタといえば主題を繰り返すよね~、などなど、作曲にもおきまりのお作法があったのです。
が、いざ曲を作ってみて分類しようと思ったら、なんかソナタっぽいようでソナタじゃない。なんてことがあります。そんなときに「幻想曲」と名づけることが多々あったとか。あとは、最初からお作法を無視して作曲したものなどに名づけるそうです。
そしてもう一つ、近年になって幻想曲の定義となっているのが、「幻想的な内容をもつ作品」。これは個人の感性によるところが多いですが、なんとなく思い浮かぶイメージで多そうなのはディズニーではないでしょうか。実際に「ファンタジア」という、クラシック音楽をメインにしたディズニー映画もあるくらいです。
今回のイベントストーリーは、魔法使いの店で繰り広げられる、ファンタジー色強めのお話。そこにリンクして、ファンタジア(幻想曲)と名づけたのかな、と感じました。
私たちの世界で有名なのは、ショパンの「幻想即興曲」などでしょうか。現代においてもキャッチーな魅力的な曲。実はショパンの生前にはこの楽曲は出版されず、死後、友人の手によって楽曲が出版されたそうですよ。ドラマ~。
ソナチネシリーズ(小ソナタ)
お次はソナチネシリーズ。ソナチネも音楽用語ではあるのですが、今までのイベントとはちょっと毛色が違います。今までは「場所シリーズ」や「専門店シリーズ」など、○○シリーズに音楽用語のタイトルがつけられていましたが、ソナチネはとくにシリーズはありません。
- 薔薇の君臨と自由のソナチネ
- 火花の祝福と誉のソナチネ
- 友愛の舞台と祈夜のソナチネ
- 暗夜の共闘と白光のソナチネ
- 星霜の夢と玩具箱のソナチネ
ソナチネイベントはお当番キャラの2人を中心に、いつものイベントより比較的少人数で物語が進行していきます。その代わり「デュオバトル」というシステムがあり、イベントを盛り上げています。
イベントタイトルの「ソナチネ」とは、小ソナタのこと。ソナタとは音楽の形式のひとつで、時代によって定義はまあ異なるのですが…だいたい4楽章方成り立つ構成です。第一楽章はテンポが早く、第二楽章は緩やかで~みたいな構成の曲をソナタと呼びます。
こうやって聞くと、ソナタは4つも楽章がある壮大な曲に感じますね。そのソナタより、シンプルで短く簡単にしたものをソナチネといいます。
イベントではいつもより人数が少ないこともあり、普段のイベントよりも小規模な「ソナチネ」となっていますね。スノウもイベストで「このくらいの人数で遊びに…」と話しているあたり、これにリンクして「ソナチネ」と名づけられていたのでしょう。
魔法使いの家シリーズ:オブリガート(不可欠なメロディー)
最後に、現在(2024/12/27)現在、展開されているオブリガートについて。オブリガートは「魔法使いの家シリーズ」のイベントに名づけられています。
- 煤纏う勇姿のオブリガート
- 散花奏でる涙のオブリガート
このシリーズのイベントストーリーでは、第2部で登場した「魔法使いの家」にきた依頼を中心に物語が展開していきます。ストーリー中でアーサーは「『賢者の魔法使い』がこの場所(魔法使いの家)を起点に、人々の力になっていきたい」と話しています。
また、もう一つこのシリーズの軸となっていそうなのが、お当番キャラクターの過去です。今のところ展開された、「煤纏う勇姿」ではレノックスの炭鉱夫~革命軍時代の話が、「散花奏でる涙」では、ラスティカとアリアの話など、キャラクターの根幹となる部分がテーマとなっています。
そして「オブリガート」とは、イタリア語(語源はラテン語)で「義務付けられた」という意味があります。こうして聞くと、かちっとした音楽なのかな?と感じますが、ちょっと違います。
オブリガートはおおまかに2つの分類があるのですが、ひとつは、省略できない不可欠なメロディーのこと。ふたつめは、主旋律の助奏のこと。現在では主にふたつめの意味合いがメインですが、今回注目するのはひとつめのほうです。
楽譜ではたまに「ここからここまではアドリブで!」みたいな感じで、演奏者が自由に演奏するようなパートがあったりします。その自由パートの中でも、これだけは演奏してね、というメロディーが楽譜に書かれていることがあります。これをオブリガート、不可欠なメロディーのことを指すのです。
イベントでは魔法使い達を語るで、避けることのできない不可欠な過去を中心にイベントが展開していきます。どんなに自由な魔法使いでも、だれもがその核となる起点がある。それとリンクして「オブリガート」とイベントに名づけたのでしょう。
また、あんまり常用的ではないのですが、ラテン語のオブリガート(obligatio)には「結びつける」という意味があります。
このイベントの舞台となる魔法使いの家は、魔法使いと人間を結びつけたいという願いが込められた場所です。それにもリンクしてイベントタイトルが名づけられたのかもしれませんね。
イベントタイトルの意味まとめ
ではまとめとして、なぜその音楽用語が名づけられたのか、それぞれイベントタイトルの由来をおさらいしましょう!
■祝祭シリーズ:プレリュード(前奏曲)
まほやく初のイベント。これから始まるまほやくの歴史の前奏曲だから。
■初めての訓練シリーズ:エチュード(練習曲)
若い魔法使い達の初任務だから。物語上の時系列的には祝祭シリーズより前。演奏会本番の幕開け(前奏曲)の前としても、練習曲と名づけるのは流れが美しい。
■依頼人シリーズ:バラッド(物語詩)
依頼人である第三者視点のシーンが描かれている。バラッドの特徴である、第三者の語り手が登場することとリンクする。
■職業シリーズ:コンチェルト(協奏曲)
お当番キャラクターをメインに、周りのキャラクター達と物語を紡いでいく。メインとなるソロ楽器+オーケストラというコンチェルトの構成とリンクする。
■場所シリーズ:ラプソディ(狂詩曲)
お当番キャラクターがもともと住んでいた場所や、ゆかりの深い場所にまつわる物語。何とリンクしているのか、ぶっちゃけわかってない。
■専門店シリーズ:ファンタジア(幻想曲)
魔法使いによる専門店が舞台となる物語。魔法使いの店で繰り広げられる、ファンタジー色強めの話にリンクしている。
■ソナチネシリーズ(小ソナタ)
お当番キャラの2人を中心に、いつものイベントより比較的少人数で物語が進行していく。ソナタを簡略化した小ソナタとリンクしている。
■魔法使いの家シリーズ:オブリガート(不可欠なメロディー)
魔法使いの家と、お当番キャラの核となる過去を中心に描かれている。アドリブなど自由パートの中でも、これだけは演奏する必要のあるメロディー(オブリガート)とリンクしている。また、魔法使いと人間を結びつける「魔法使いの家」と、ラテン語のオブリガート(obligatio/結びつける)とリンクしている。
さいごに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!いかがでしたか?今までお洒落だな~くらいに感じていたイベントタイトルですが、がっつり愛が込められていて「さすがまほやくくんだな~」と感動しました。
今回注目したのは音楽用語部分だけでしたが、他のタイトル部分にも愛が込められていると思うので、それも考えてみると更に味わい深いかも。
これから展開されるイベント達も楽しみですね!
それではまた別の考察で!