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オーエンの原型、それは殺人鬼Unknownだった!ミステリーの金字塔が因縁コンビをつくりあげる!【元ネタ考察】

魔法使いの約束に登場するキャラクター達の根幹を形作っているのは、数々の有名文学作品達です。まほやくのキャラには、それぞれモチーフがあるんですね。

今回は不穏な言葉で人の心を惑わせる、北の魔法使い・オーエンの考察です。オーエン×元ネタ考察は今回が初めて。彼のモチーフとなった、名作「そしてだれもいなくなった」から、オーエンが受けている影響を、じっくりと考察していきましょう!

それでは、レッツゴー♪

そしてだれもいなくなった

作者 アガサ・クリスティー

写真提供:Agatha Christie – An Autobiography | Agatha Christie – An Au… | Flickr

小説「そしてだれもいなくなった」は、1939年にアガサ・クリスティーによって執筆されたミステリー小説です。アガサ・クリスティーの名は聞いたことがある人が多いでしょう。そう、あのミステリーの女王、アガサ・クリスティーです。

彼女は1890年にイギリスのデヴォン州・トーキーに誕生。主にシャーロックホームズものをよく読み、ミステリーへとはまります。1920年に長編小説「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後1976年に亡くなるまで、数々の小説・戯曲を執筆し、その数は100を越えます。

彼女の残した名作を、じっくりと紐解いていきましょう!

注意書き

今回ご紹介する「そしてだれもいなくなった」も、世界的に有名なミステリーです。ここからあらすじをご紹介しますが、極力犯人がわからないように書き進めていきます。(勘のいいひとが読めば、犯人はわかります。すまん。)

これは個人的なエゴなのですが、ミステリーにおいて犯人が誰かわからず、推理しながら読み進めていく、というのがひとつの大きな楽しみだと考えています。私自身、この小説を読み、とんでもなく楽しかったものですから、ぜひ皆さんにも同じ思いで小説を楽しんで欲しいのです。

ですから、このあらすじを読んだ後でも前でも、ぜひ「そしてだれもいなくなった」を実際に読んでみて下さいね。

あらすじ

写真提供:Agatha Christie: And Then There Were None | Seen at Theatre … | Flickr

島に集められた10人

ある日、ある8人に招待状が届きます。内容は依頼だったり、夏のバカンスへの誘いだったりと様々でしたが、ひとつ共通しているのが、兵隊島への招待だということ。ぶっそうな名前の島ですが、特に軍事施設があるわけではなく、富裕層が購入し別荘を建てている避暑地のような島です。

招待状の差出人の名前もそれぞれ異なり、「ユリック・ノーマン・オーエン」や「ユーナ・ナンシー・オーエン」であったり、「U・N・O」であったりと統一されていない様子。8人の誰とも面識はありません。どうやらオーエン夫妻なるものが、孤島である兵隊島を買い取り、そこに招待しているというのです。

島に集まった8人の招待客。元刑事や元軍人、元裁判官など、様々な人が招待されていました。島にはモダンな豪邸があり、そこにはオーエン夫妻に雇われた使用人夫婦がいました。島は孤島であり、毎朝本土からくるボート以外に、外に出る方法はありません。オーエン夫妻は到着が遅れており、島につくのは明日になるそう。つまり、島には集まった10人以外に人はいないのです。

が、あまりに美しい景色と豪邸を前に、皆に不安などありません。食料もたっぷりあるのですから、なんの心配もいらない…そう全員が感じていました。

罪の告発

全員集まって素晴らしい夕食を堪能した後、それぞれが打ち解け合い、会話を弾ませていました。招待客の一人、アンソニーという今風の青年が「おかしなものがあるなぁ」とテーブルの中央を指さします。

そこにはガラス台に置かれた、10人の兵隊さんの人形。それをみて体育教師であるヴェラという女性が、自分の部屋に飾ってあった童謡を思い出しました。

小さな兵隊さんが10人。ご飯をたべに行ったら、

ひとりが喉をつまらせて、のこりは9人

小さな兵隊さんが9人。夜ふかししたら

ひとりが寝ぼうして、残りは8人

~中略~

小さな兵隊さんが1人。あとに残されたら

自分で首をくくって、そして、誰もいなくなった

不気味な童謡。しかし、童謡は童謡。とくに気にすることもないと思っていた矢先。突如、部屋中に声が響きました。

「淑女、ならびに紳士の皆さん!お静かに!あなたがたは次に述べる罪状で告発されている。

エドワード・ジョージ・アームストロング、1925年3月14日に、ルイーズ・メアリ・クリースを死に至らせたのはあなただ。

エミリー・キャロライン・ブレント、1931年11月に…」

謎の声が次々と、その場にいる全員の罪状を述べていきます。ここにいる全員が、殺人の罪を犯しているというのです。

「裁きの座の被告人たち、あなたたちに申し開きができるか。」

UNKNOWN

声がやみ、静まり返る部屋。一同は我に返ると、先ほどの声について話しました。声はどうやらレコードから流れていた様子。そして、オーエン夫妻とは一体何者なのか。元判事があることに気づきます。

「ユリック・ノーマン・オーエン」、「ユーナ・ナンシー・オーエン」…頭文字はどちらも同じで『U・N・Owen』。つまりUnknown…得体のしれない者となるのです。

消えていく小さな兵隊さん

まるでミステリー小説のような展開に、アンソニーはスリルを楽しむように上機嫌になりました。そして「犯罪に乾杯!」とグラスを煽ります。…と、急に苦しみだすアンソニー。床に倒れ…そして、彼は息絶えました。

第一の犠牲者が出たのです。

これを皮切りに、次々と犠牲者が出ます。くしくも、童話とよく似たシチュエーションで人が死んでいくのです。そして、人が死ぬたびに、テーブルにある兵隊さんの人形も、ひとつずつ消えていく。恐ろしい殺人劇に、皆は震えあがります。

島中探しても、10人以外に人はいない。翌朝来るはずだったボートも来ない。

招待客達は察します。オーエンという人物はいない。架空の存在なのだ。この島に自分たちしかいないのであれば…犯人は、この10人の中にいる。隔離されたこの孤島で、全員殺されるのだ、と。

終幕

写真提供:IMG_4336 | And Then There Were None And Then There Were None… | Flickr

そして、最期の日がやってきました。謎の殺人鬼に殺され、残るはふたり。生き残ったふたりは、互いに相手が殺人鬼だと思い、殺し合います。生き残ったのは、ヴェラという女性でした。

ヴェラは自分が生き残ったという安心感と、過去に犯した罪への後悔、今、人を殺めたという高揚感…様々な感情がどっと押し寄せ、意識が朦朧としていました。昔、大切だった人が自分を見守っている気がする。自分が成すべきことを。

そう、自分はこれを成さねばならない。ヴェラは椅子にあがり、ロープの輪に首をとおし、椅子を蹴りました。

そして、誰もいなくなったのです。

告白文

この事件は迷宮入りになると思われました。しかし、ビンに入った一通の文書が見つかったのです。それは、犯人による犯罪の独白分でした。なぜこのような犯罪を犯したか、どのようなトリックであったか、招待客達が過去に犯した犯罪について、事件の全てが書かれていました。

文書は最後、こう締めくくられています。

「島で10の遺体と、解けない謎をめにすることになる。」

そこには、犯人の名前の署名がありました。

こうして、犯人によって、事件は解き明かされたのです…。

まほやくオーエンとの関係

ここからは、まほやくオーエンが「そしてだれもいなくなった」からどのように影響を受けているのか考察していきます。気になるエピソードが盛りだくさんなので、ひとつずつ整理していきましょう!

オーエン夫妻と、ふたりのオーエン

名前の由来

「そしてだれもいなくなった」には、オーエン夫妻という招待状の差出人が登場します。実際はオーエン夫妻は存在せず、犯人が作り上げた幻影だったわけです。名前も趣向を凝らしており、読み替えると「Unknown/得体の知れない者」となるのです。

この不気味さは、まほやくオーエンの印象にもそのまま反映されていますね。不気味さと、得体のしれない雰囲気はここから生まれたのでしょう。

まほやくオーエンの名前の由来は、このオーエン夫妻から来ています。名前のスペルもどちらも「Owen」と一致していますね。

まほやくオーエンのふたつの人格

まほやくオーエンは時折、子どものような人格に変わることがあります。この設定もオーエン夫妻からきているのでしょう。

もし「そしてだれもいなくなった」において「オーエン」と書き記した場合、それはオーエン「夫妻」のことを指すでしょう。オーエンとは、ふたりの共通ファミリーネームだからです。まほやくにおいても、「オーエン」とは、普段の毒舌オーエン・子どもオーエンの両方を指します。

つまり、オーエンという存在が2人いる、という点で、まほやくは設定をオマージュしたんですね。

では、性格についてはどうでしょう。それは犯人の興味深い心情変化からオマージュされています。

2歳のころからくすぶる、殺人衝動

犯人像

「そしてだれもいなくなった」の犯人は、仕事柄、日々多くの事件に触れてきました。その中で犯罪についての知見を深め、ついに自分で犯罪を作り上げたいと考えるようになったのです。それも、普通の犯罪ではなく、民衆の耳目を驚かせるような、稀有で不可能と思われるような犯罪を。

その衝動の発端となたのは2歳の頃に耳にした童謡でした。10人の兵隊が1人ずつ消えていく…その童謡は犯人の記憶にずっと残っていたのです。

しかし、いざ殺人をしようと心に決めても、自分の中にあるもう一つの正義の心がそれを邪魔しました。そこで犯人はあるアイデアを思いつきました。法律で裁けない悪人を殺せばいいのだと。たとえば、過失に見せかけて子どもを海に溺れさせた教師だったり、わざと世話の手を抜いて、雇い主である老婆を殺した執事だったり…。

こうして着々と計画は練られ、兵隊島での惨劇が起きたのです。

子どもオーエンが読んだ絵本

まほやくで子どもオーエンが読んでいた騎士の絵本。これは「そしてだれもいなくなった」に登場する10人の兵隊の歌から着想を得ていると思われます。まほやくでは内容は随分と変わって、騎士が弱い人を助ける物語となっていますが。

犯人が子供の頃に童謡を耳にし、ずっと心にとどめていたように、子どもオーエンも絵本の物語をずっと大切に信じています。このあたりは設定を変えて、まほやくでオマージュされていますね。

正義と悪のふたつの人格

「そしてだれもいなくなった」の犯人の心の中には、人を殺してはならないという正義の心と、人を殺したいという悪の心が混ざりあっています。これはまほやくオーエンのふたつの人格に設定が反映されています。

言わずもがな、普段の毒舌オーエンは、小説における悪の心を象徴しています。では子どもオーエンはどうでしょうか。実はまほやくファンブックでは、オーエンの傷を「不意に優しい人格になる」と紹介しています。子どもの人格ではなく、優しい人格と表現しているんですね。

まあ、子どもらしい話し方だからといって、子どもと決めつけて表記するのもよろしくない為に、この表現になっているのかもしれませんが。「優しい=いい人」なイメージは何となく感じられますね。(ケースバイケースですけど。)

子どもオーエンは、小説の犯人の正義の心を象徴した存在と言ってもいいでしょう。犯人の心情真理をオマージュした設定でした。

兵隊さんの人形とチェスの駒

まほやくオーエンのアミュレットである、チェスの駒。ゲーム用に集めたのではなく、ナイト(騎士)の駒ばかり集めています。これは「そしてだれもいなくなった」に出てくる、兵隊さんの人形から着想を得ているのでしょう。

兵隊さんの人形はリビングのテーブルの中心に置かれ、招待客が死ぬと、それに合わせてひとつずつ姿を消していく…という謎めいた人形です。

オマージュする際に、そのまま兵隊の人形をまほやくオーエンが持っていたら、少し違和感がありますね。どこで作られたのか、特別なエピソードがあるのか。まほやく世界には兵隊という職業はなく、代わりに騎士が存在すると思われます。(少なくとも中央の国では。)

そのため、違和感がないように、騎士×人形=チェスのナイトというように連想させてオマージュさせたのかもしれません。

カインの刻印

旧約聖書におけるカインの刻印

「そしてだれもいなくなった」には、犯人の独白の中でこんな一文が描かれています。「死んだ私の額に残る赤い傷、これは旧約聖書にでてくる人殺しカインの刻印だ。」

カインの刻印(しるし)とは、旧約聖書に登場する、カインにつけられた刻印です。そう、まほやくカインのモチーフともなった「カインとアベル」のカインですね。詳しくはまたカインの考察で触れていきますが、この刻印とは一体何なのか。

これは、カインが弟アベルを殺してしまい、神にエデンの東へ追放される際に、「私を見た人は、私を殺すでしょう。」と弱音を言います。それをみかねた神は、カインにしるしをつけました。「カインを殺すものは、七倍の復讐を受けるでしょう。」こうして、カインはその地を後にし、エデンの東、ノドの地に住んだのです。

旧約聖書におけるカインの刻印が、どこにどのような形で印されたのかは現代でもハッキリしていません。キリスト教、もしくはユダヤ教において、額のしるしは特別な意味があるのかもしれません。このあたりはまた調べてみますね。

「そしてだれもいなくなった」におけるカインの刻印

話は戻りますが、「そしてだれもいなくなった」において、なぜ犯人がわざわざ自分の額に赤い傷を残したのか。これは、カインが人殺しであること、また誰にも傷つけられない存在であることになぞらえてつけた傷です。つまり罪の象徴であり、守護の象徴でもあるのです。

犯人は誰にも解けない事件を作り出したい一方で、誰か解けないものか、私の頭の良さを誰かにわかって欲しいという承認欲求も併せ持っていました。そのため、額に傷を受けた自分こそが、実は殺人犯である、とヒントを与えたのです。

まほやくにおけるカインの刻印

このカインの刻印は、まほやくではカインの目玉としてオマージュされています。オーエンにとっては、カインから目玉を奪った証です。殺人はしていないものの、一方的に騎士団をぼこぼこにして奪った目玉ですから、罪の象徴とも言えますね。

対して、まほやくカインはオーエンの目玉を持っています。中央の祝祭のイベストでは、カインはオーエンの目玉の守護により、その命を取り留めました。つまり、旧約聖書のカインと同じように、しるしによって守られたのです。これは守護の象徴として目玉が機能していますね。

罪と守護の象徴。これをキーとして、まほやくではカインの刻印がオマージュされているのです。

さいごに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。お楽しみいただけましたか?実は「そしてだれもいなくなった」に、カインっぽい陽キャが出てはくるのですが、序盤で死んでしまうものですから、記事にするのはちょっとなーと思い記載していません(笑)。

このあらすじを読んだ後でも、充分楽しめる名作ですので、陽キャの正体も含めて、ぜひ皆さんも読んでみて下さいね!

それでは、また!

参考文献

そして誰もいなくなった | 種類,クリスティー文庫 | ハヤカワ・オンライン

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