まほやく世界の地名は、「既知の遺跡」や「死の湖」など、「○○の○○」といった名称が多いですね。なんだかお洒落。これは私たちの世界に実際にある、月の海の名前から名付けられています。
今回はまほやく世界の地名について、基本的なところからディープなところまで、じっくりと考察してみます!レッツ☆月面旅行!
ここからはネタバレが含まれるかもしれないのでご注意を!
それではレッツゴー♪
月の海とは
さて、先ほどまほやく世界の地名は、私たちの世界の「月の海」から命名していると言いましたが、そもそも月の海とは何でしょう?
私たちの世界の月には、基本的に水はなく、岩石に覆われています。月を観てみると、白っぽい場所と、黒っぽい場所に別れていますね。この黒っぽい場所を「月の海」と呼びます。
月の地名をまとめました。
— 荒木健太郎 (@arakencloud) February 16, 2022
満月の夜のおともにご覧ください🌕 pic.twitter.com/WIkhr0rzcN
マグマが溶けだして、黒い玄武岩に覆われている場所や、別の惑星がぶつかって超巨大クレーターができた場所です。16世紀頃に月を観測していた人たちには、この暗い部分が海に見えたのです。
黒っぽい部分を総称して月の海と呼びますが、地区ごとに名称がついています。それがまほやく世界にも名付けられています。ざっと表にしてみるとこんな感じ。ついでにスポットエピソードなどのモチーフもまとめてみました。空欄部分は今後埋めていきたいですね~。
ちなみに、海やら湖やら入り江やらありますが、基本的に全て同じ月の海です。大きさや地形によって名前が異なるそうです。
中央の国
まほやく地名 | 由来(月の地名) | モチーフ |
---|---|---|
栄光の街 | 栄光の入江 | — |
既知の遺跡 | 既知の海 | — |
オズの爪痕 | — | 童話「オズの魔法使い」に登場する谷 |
グランヴェル城 | — | シュヴェリーン城 |
熱の街 | 熱の入り江 | — |
魔法舎 | — | フルボカー城 |
北の国
まほやく地名 | 由来(月の地名) | モチーフ |
---|---|---|
氷の街 | 氷の海 | — |
氷の森 | 氷の海 | — |
死の湖 | 死の湖 | ミトラ神話の世界 |
夢の森 | 夢の湖 | — |
時の洞窟 | 時の湖 | — |
東の国
まほやく地名 | 由来(月の地名) | モチーフ |
---|---|---|
雨の街 | 雨の海 | 黄金の川の王さま? |
嵐の谷 | 嵐の大洋 | — |
シャーウッドの森 | — | ロビン・フッド? |
ブランシェット城 | — | — |
南の国
まほやく地名 | 由来(月の地名) | モチーフ |
---|---|---|
雲の街 | 雲の海 | — |
ティコ湖 | ティコ(クレーター) | — |
病の沼 | 病の沼 | — |
レイタ山脈 | レイタ峡谷 | — |
西の国
まほやく地名 | 由来(月の地名) | モチーフ |
---|---|---|
未開の天文台 | 未開の入り江 | シドニー天文台 |
神酒の歓楽街 | 神酒の海 | — |
ベネットの土地 | — | 喜劇「ヴェニスの商人」より ヴェネツィア+ベルモント |
豊かの街 | 豊かの海 | 童話「幸福の王子」 タリン旧市街地 |
泡の街 | 泡の海 | 童話「幸福の王子」 |
ラングレヌス島 | ラングレヌス(クレーター) | — |
他にもイベストで登場した地名は沢山あると思いますが、全部読み返すのはなかなか…。思い当たる地名や由来があれば、ぜひコメントに書き込んでいって下さい!過去の考察も記事の最後にまとめておきますので、気になる項目があれば読んでみて下さい。
まほやくでは月から地名を得ていますが、実は場所も概ね同じです。正確に言うと東西が逆になっているので、地図を反転させると、場所がほぼ同じになるのです。
What The Puck, CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, via Wikimedia Commons
まほやくでは何かと反転がキーになってきますが、世界も反転してるとは…。反転というより、月を鏡合わせにした世界、という印象もうけますね。
また、月の海の黒い部分が、まほやく世界の大陸となっています。こちらは東西が反転しているというより、月を右に90°回すとまほやく世界の大陸となります。
Luc Viatour, CC BY-SA 3.0 http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/, via Wikimedia Commons
実はまほやく世界はオズの魔法使いの設定も強く影響しています。オズの魔法使いの世界は、5つの国に分かれています。砂漠に囲まれており、果てがなく、外に出たものはひとりもいません。まるでまほやく世界ですね。
まほやく世界は砂漠ではなく、海に囲まれています。陸と海が反転しているのです。そう考えると、月の海がまほやく世界では陸になっているのも、なんとなく納得できますね。
ティコ湖
月の海にはロマンチックな名前が付けられていますが、実はその由来はあまりわかっていません。なんでしょうねえ、名付けた人がロマンチストだったんですかねえ。名前の由来もわからないので、正直そんなにまほやくに関するエピソードはありません。
しかし、ティコは別です。ルチルの育成スポットであるティコ湖の由来となった、この巨大クレーターには、まほやくに関するエピソードが盛りだくさんなのでチェックしてみましょう!
私たちの世界の月にあるティコは、南部に位置する巨大クレーターです。大きさは直径85キロ。でっっっか!クレーターは別の惑星がぶつかってできるのですが、まほやくでもティコ湖は星がぶつかってできたと言われていますね。
月のティコは、クレーターを中心に、放射線の光が伸びています。これは肉眼でも観測できます。まほやくでも「皿のような山を中心に、放射線状に山脈が伸びている」と表現されており、月のティコをモチーフにしていますね。
ちなみに、ティコ湖ではミニ宇宙人みたいなカエル?が目撃されていますが、後ほどレノックスに釣り餌にされました。Oh・・・。
月のティコは、天文学者ティコ・ブラーエにちなんで命名されました。彼は様々な功績を残しましたが、そのひとつが「新星 / Nova (ノーヴァ)」という用語を作った事です。
新星とは、もともと暗かった星に強い爆発が起き、一時的に強く光る現象のこと。見た目的には、急に新しい星が生まれたように見えます。ティコ・ブラーエは「De stella nova / 新しい星について」という本を出版し、ここで初めて「新星 / Nova」という用語が作られました。
Nova、もといノーヴァといえば、まほやくにおけるラスボス的存在。まほやくノーヴァは強い力を持ちながら、オズやミスラ達にも知られておらず、突如、賢者の魔法使い達と敵対しました。急に現れた強い魔法使いだなんて、まさに新星っぽい…!
ちなみに、この時ティコ・ブラーエが観測した新星は、現代では「超新星 / supernova」に分類されます。同じく急に強く爆発して強く光る事は新星と同じですが、その原理は異なります。が、今回は原理については省略。というか難しすぎてよくわかりませんでした笑。
ひとつ新星と大きく異なるのが、超新星は爆発後、星そのものが吹き飛んでしまいます。新星はあくまで星の周りのガスが爆発するので、星は残るのです。果たしてノーヴァは新星となるのか、超新星となるのか…。今後の展開が気になりますね。
ところで、まほやくのティコ湖は、南の国ではデートスポットとして知られています。ティコ湖をモデルにした「星の湖」という恋の詩が有名なんだとか。ルチルとミチルの両親が出会った思い出の場所ですね。
私たちの世界で、月に関する恋の詩?といえば、夏目漱石の「月が綺麗ですね」が有名ですね。夏目漱石は色々と作品を残していますが、「こころ」という小説では、親友同士が同じ人を好きになってしまう、三角関係が書かれています。
それを意識してか、まほやくの「星の湖」の著者が、「こころ」よろしく三角関係のお話を書いています。もしかして著者はソウセキ・ナツメとかだったりするんですかね?笑
賢者の海
最後に月の裏側について触れておきます。地球から見える月は常に同じ面が見えます。しかし、当然ですが月には裏側もあるのです。裏側は表と違い、月の海はほとんどなく、ほぼ白い面に覆われています。その中の数少ない海の中に「賢者の海」と呼ばれる場所があります。なんだかまほやく賢者を彷彿とさせますね。
NASA, Public domain, via Wikimedia Commons
この月の裏側について書いた小説が、天文学者ヨハネス・ケプラー著の「夢」です。ある少年が精霊によって月に連れて行ってもらい、月の形態や、月に住む精霊たちについて知っていく、というお話です。
ちなみにヨハネスはティコ・ブラーエと仲が良く、この「夢」にもティコ・ブラーエが登場します。この小説はいつか読みたいんですよね~まほやく世界の設定にも関わっていそう。
とはいえ、この「夢」は小説部分はほんの20ページ程で、残り150ページ程はほぼ論文なんだそう。この小説が書かれた16世紀は天動説が主流だったのですが、ヨハネスは地動説を推していました。が、地動説の論文を真正面から発表しようものなら、とんでもない批判を浴びてしまいます。そのため、小説という体をとった論文になったのだとか。
話が逸れましたね。まほやく世界を形作る月の表側。そして月の裏にひっそりとある賢者の海。果たしてこれらがまほやく世界の謎を解くヒントとなるのか。あなたはどう思いますか?
さいごに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!まほやくといえば月!と言えるくらいシンボルとなりつつある大いなる厄災。世界の謎が解き明かされる日が楽しみですね!2025年くらいには、日本人初の月面着陸もあるとかないとか?リアルでも今後の展開が気になる~。
それではまた別の考察でお会いしましょう!
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