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ラスティカ&クロエは今度こそ悲劇を乗り越えられるか?「幸福な王子」の運命を吹っ飛ばせ!

はじめに

スマホゲーム「魔法使いの約束」に登場するキャラクターは、有名文学作品をモチーフにして形作られています。今回は西の魔法使い、ラスティカとクロエを考察していきます。

ふたりの主なモチーフとなっているのは「幸福な王子」と「日々の泡」という小説。どちらも悲劇的な物語であり、ふたりの根幹の部分を形作っています。この記事では「幸福な王子」からふたりがどのような影響を受けているのかじっくり考察していきますので、楽しんでいただければ幸いです。この先はネタバレが含まれますのでご注意ください。

それでは、レッツゴー!

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ラスティカ、ラスティカ!もう俺たちの話が始まっちゃうよ!

ううん…おはようクロエ。もう朝かい?

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ああ、寝ぐせ直すからこっち来て!

幸福な王子について

概要

「幸福な王子」は1888年にオスカー・ワイルドによって執筆された短編小説です。当時初出版されたときは、他にオスカーが執筆した4つの物語と一緒に童話集として出版されました。日本では数多くの訳本が刊行されており、子どもでも読みやすい童話となっています。下に本文が読めるリンクを載せておきますので、お時間があれば読んでみて下さい。

幸福の王子 – 結城 浩 訳

オスカー・ワイルド


写真提供:Oscar Wilde – Napoleon Sarony | Foto von: Napoleon Sarony Os… | Flickr

作者のオスカー・ワイルドは1854年にアイルランドのダブリンに生まれ、オックスフォード大学を首席で卒業。以降、詩人、作家、劇作家として活躍した文学人です。才ある人物でしたが、彼は少々素行がよろしくなく、妻がいるのにも関わらず浮気をする、キリスト教で禁止されている同性愛者(正しくは同性異性問わず)であることで世間からは浮いた存在でした。

オスカーはアルフレッド・ダグラスという男性と恋仲でしたが、アルフレッドの父が同性愛を見かねてオスカーを裁判にかけます。敗訴したオスカーは投獄され、出所したものの世間からは冷たい視線を浴びせられ、そのまま病気で亡くなりました。しかし、彼の残した作品と生きざまは世界中の文豪家達に影響を与え、谷崎潤一郎、夢野久作など日本の近代文学の作家達も彼の作風に影響されたとされています。

あらすじ

町にそびえた柱の上に、「幸福な王子」の像が建っていました。王子の像は全身が純金で覆われ、両目にはサファイア、剣の柄には赤いルビーが輝いています。町の人々は口を揃えて王子を褒めたたえます。人々にとって美しい王子は自慢なのです。

別の場所では、一羽のツバメが葦(水辺に生えてる稲のようなあの草)に一目ぼれし、ラブコールを送っていました。ツバメは渡り鳥ですから、冬には遠く南へと行かなばなりません。しかし、葦に夢中になっていたツバメは、仲間たちに置いて行かれました…。

旅が大好きなツバメは葦を旅に誘いますが、葦は自分の家が気に入っていたため誘いを断ります。フラれてしまったツバメは一足遅く南、エジプトへと旅立ちました。一日中飛んだツバメは羽を休めようと、途中、町にある「幸福な王子」の像の足元に降ります。するとツバメの頭に王子の流した涙が一滴二滴と落ちてきます。ツバメは尋ねました。「どうして泣いているのですか?」

王子は言います。「町の全ての醜悪なこと、悲惨な事が見える。貧しい家で疲れたご婦人がお針子をしている。ご婦人には病の息子がいるが、貧しいので水しか与えられない。ツバメさん、ツバメさん。どうか私の剣の柄からルビーを取り出し、あのご婦人にあげてくれないか。」

ツバメは言います。「私はエジプトに行きたいんです。」他にも理由を述べて断ろうとしますが、あまりに王子が悲しい顔をするので、お使いをしてあげることにしました。ルビーをご婦人の眠る脇に置き、病に伏せる息子の額を翼であおぎました。息子は「とても涼しい。僕はきっと元気になる。」と言うと心地よい眠りにつきました。ツバメはなんだか温かい気持ちになり、その晩は町で眠りました。

次の晩、ツバメは今度こそエジプトに旅立とうと王子に別れの挨拶をしにきました。が、王子はまた困っている人を見つけた様子。町の人を助けようと「ツバメさん、ツバメさん。」とお願いをしてきます。見捨てることもできないツバメは、次の晩、また次の晩と王子の願いを叶え、貧困に苦しむ人を助けていきます。

その中でツバメは町の様子をみてきました。金持ちが幸せに暮らす一方、貧困に苦しむ貧民達がいる。この町は富裕層と貧困層に分かれた混沌とした町なのです。日々は過ぎ、冬が近づいてきました。ツバメはどんどん寒くなっていきますが、王子の元から離れようとはしません。ツバメは心から王子を愛していたのです。

ツバメはもうすぐ自分は死ぬのだと悟りました。しかし、王子は自身の眼であるサファイアを苦しむ人に与えたため、ツバメが寒さに震える姿が見えていません。ツバメがもうすぐ死ぬことに気づいていないのです。

ツバメは王子に言います。「さようなら、愛する王子。」王子は言います。「あなたがとうとうエジプトに行くのは嬉しいよ。私もあなたを愛しているよ。」ツバメは最後の力で伝えます。「死の家に行くのです。死は眠りの兄弟ですよね…。」そしてツバメは王子のくちびるにキスをして、死んだのです。

その瞬間、王子の鉛の心臓が二つに割れました。

次の日、市長と市議員が「美しくないから役に立たないだろう」と、幸福な王子の像を降ろし、溶鉱炉で溶かしました。しかし、鉛の心臓はどうしても溶かすことができませんでした。鉛の心臓はごみ溜めに捨てられ、その傍らにはツバメの亡骸も横たわっています。

神様は天使に命じました。「町の中で最も貴いものを二つ持ってきなさい。」天使は鉛の心臓と、ツバメの亡骸を持ってきました。神様は言いました。「天国の庭園でこの小さな鳥は永遠に歌い、 黄金の都でこの幸福の王子は私を賛美するだろう。」と。

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クロエ…はい、ハンカチ。

ありがとう、ラスティカ…。

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幸福な王子とまほやくの関り

貴族と貧民

幸福な王子の舞台の町は、裕福な貴族と、貧困に喘ぐ貧民とが住まう町です。この貧富の差はまほやくにも設定として受け継がれています。ラスティカの育成スポットである「豊かの街」では富裕層の、クロエの育成スポットである「泡の街」では貧困層の住む場所として描かれているのです。

別の記事でも紹介しますが、「日々の泡」でも貧富の差が如実に描かれており、一つのテーマとなっています。この共通した設定の中、クロエは奇跡的にラスティカと出会い、幸せへと歩みだしました。悲劇である「幸福な王子」、「日々の泡」では見られなかったハッピーエンドが、まほやくでは描かれるのかもしれませんね。

豊かの街

ラスティカの育成スポット「豊かの街」には、願いを叶えてくれる女神像があります。女神像の足に触れて、願い事を浮かべると叶うという伝説があるのです。「幸福な王子」では、困っている人の願いを王子側が一方的に叶えていましたが、まほやくでは逆に人々が像に願いごとを叶えてもらう構図となっています。

もしも「豊かの街」が「幸福な王子」の舞台となった町のパロディなのであれば、王子像が撤廃されて後に建造されたのが女神像…なんて自由な想像もできますね。

泡の町

クロエの育成スポット「泡の町」は貧民街であり、ここに暮らす子どもたちは賢く用心深い逞しい子たちです。通りで似顔絵を描いてお金を稼いでいる子や、中にはスリを行う子も。「幸福な王子」では、お腹を空かせた子どもたちが通りで横になっていたりしましたが、王子が自身の宝石や純金を与えたため、パンを食べることができました。

しかし、まほやくでは王子像はいないため、子どもたちは自身でお金を稼がなくてはなりません。そのため、「幸福な王子」とは違い、子どもたちは逞しくなったのでしょう。

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ラスティカ、何か盗まれたりしてない?大丈夫?財布ある?

おや…どうやら財布をどこかに落としてしまったようだ。

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えー!落としたの?それとも盗まれちゃったの?

うーん、自分の部屋に置いてきたような気も…

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どっち!?

ラスティカとクロエへの影響

では、「幸福な王子」の物語はラスティカとクロエにどのような影響を与えているのか。ここから先は、王子=ラスティカのモチーフ、ツバメ=クロエ(花嫁)のモチーフになったと仮定して読んでみて下さい。なぜその方程式となるのか?それは少しづつお話していきましょう。

ラスティカの名前

ラスティカのフルネームはラスティカ・フェルチ。少なくとも400年は生きている魔法使いで、貴族の出身とされています。自身の出生に関しては「フェルチ家の生まれ」という事のみ覚えており、家族に関することはほとんど覚えていません。

このフェルチ家でラスティカがどういった立場の人間だったかは明確には明かされていません。今わかるのはフェルチ家はかつて莫大な富を持っており、今は没落しているという事のみ。これからのストーリーで深掘りされていくはずですので、楽しみにしていましょう。ここで考察するのは、メタ的な意味合いでの、ラスティカの名前の由来です。

ツバメは英語で「swallow」と表記し、「幸福な王子」の原文でもこちらで記載されています。それとは別に、ツバメを学名で表記すると「hirundo rustica」となります。この「rustica」というスペルはそのままラスティカの名前のスペルと一致します。

学名とは学問上、世界共通で使う名前のことで、ラテン語の名詞+形容詞でつけるというルールがあります。そのため「hirundo rustica」もラテン語であり、直訳すると「田舎のツバメ」となるのです。なぜ田舎の?とは思いますが、この学名の由来までは調べきれていないので悪しからず…。この「ラスティカ」はツバメ、もしくは田舎の~という意味合いで解釈できそうですね。

そして、苗字のフェルチはラテン語の「fēlīx/幸運」の与格形容詞、「fēlīcī」。与格とは日本語でいうところの「~に」と同じ意味合いです。もし「ラスティカ」をツバメという意味合いで解釈した場合は、「ラスティカ・フェルチ=幸せなツバメ」という意味合いになります。ツバメに幸せを与える、という事で幸せなツバメという意味になるんですね。

ところで思い出していただきたいのが、ラスティカのモチーフとなった童話のタイトルです。「幸福な王子」というタイトルでしたね。「幸福な王子」と「幸せなツバメ」。なんだか似通った名前です。

「幸福な王子」では王子はわざとではないとは言え、ツバメを死なせてしまう事になりました。ツバメ本人がどう感じていたかはわかりませんが、ハッピーエンドとは言えないお話です。この後も考察しますが、もしもラスティカが「幸福な王子」の王子をモチーフにしていたとしたら、まほやくではツバメには幸せが与えられ、ハッピーエンドを迎えられるという暗示なのかもしれませんね。

ちなみに、クロエの名前の由来は「日々の泡」から来ていますので、また別の記事で触れることとしましょう。

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ラスティカって名前の響き、かっこいいよね。

クロエの名前の響きも好きだよ。何度でも呼びたくなる。

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へへ、ありがと!

ラスティカの性格

ラスティカは困っている人がいれば、自分の財産を惜しまず人助けをしてしまう性格。金銭感覚はガバガバで、いつもクロエに心配されたり、止められたりしています。このあたりの性格は、自分の装飾をばらまきまくった王子と似ていますね。

また、ラスティカはおねだり上手で、クロエに紅茶を淹れてもらったり、皆にもお願い事をしたりと、貴族生活が抜けきっていない様子。王子もツバメにお使いを上手に(?)頼んでいましたので、色々と世話を焼いてもらう性質が似ていますね。

ラスティカは王子と似ている部分が多くありますが、ツバメと似ている部分もあります。葦に求婚している姿は、ところかまわず「僕の花嫁」と称して鳥かごに収納する姿を連想しますし、旅好きなところも似ていると言えます。

では、結局ラスティカのモチーフになったのは王子とツバメ、どちらなの?という話になりますね。これは人によると思いますが、私は王子こそがラスティカのモチーフではないかと考えます。正確には「花嫁と一緒にいたかつてのラスティカ」が王子のイメージと重なるのではないかと。

王子はツバメのことを愛するも、ツバメの状態に気づかず死なせてしまいます。そして心がふたつに割れてしまいます。ラスティカの花嫁はクロエいわく、すでに亡くなっているそう。亡くなっている根拠は明かされていませんが、もしかしたら過去のラスティカは王子と同じように、過失によって花嫁を亡くしているのかもしれません。そして王子の心が割れたように、ラスティカの心も壊れ、花嫁についての記憶を消してしまったのかもしれませんね。

そう考えると、ツバメはクロエのモチーフであると同時に、花嫁のモチーフでもあるわけです。この「クロエと花嫁のモチーフ」というのが大切になってきます。

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本当のラスティカって何?心が壊れてたらダメなの?そんなことより俺と踊ろう!

クロエの性格

クロエは心優しい青年で、生活能力ゼロのラスティカの面倒をよく見る世話焼きな部分もあります。王子の無茶ぶりを叶えてきたツバメに似ていますね。ツバメの旅好きなところも、ラスティカに連れられて旅をしてきたクロエと似ているように感じます。さすがに葦に求婚するところは似てませんが…。

ツバメは最期、王子のことを心から愛していました。ただ、クロエもラスティカの事を友達、師匠として慕っていますが、ツバメが王子に向けた愛のように深いかと言われると、まだ至っていないようにも見えます。しかし、それは現時点での話。

クロエの名前の由来は「日々の泡」からきており、詳しくは別の記事でお話しますが、名前の意味を要約すると「ラスティカのクロエ」、つまり、ラスティカの花嫁となります。公式ホームページに載っているラスティカの台詞、もとい口癖である「僕の花嫁」。これがもし「僕のクロエ」に置き換わることがあるとしたら。

さすがにラスティカとクロエが恋仲になるとは考えていないのですが、それに近い執着心をラスティカはクロエに抱くことになるかもしれません。その可能性はシャイロックも感じており、「案外、支配欲や束縛が強いタイプ」と称しています。果たしてラスティカとクロエの関係は変化していくのか。これからのストーリーを楽しみにしたいと思います。

ちなみに、クロエの根幹の性格は「日々の泡」と、もう一つ「灰だらけ姫」がモチーフになっていると思われます。「灰だらけ姫」がモチーフになっているなんて今はじめて言いましたが笑。これはシャルル・ペロー版シンデレラであり、また別の記事でじっくり考察していきますね。

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クロエ。困ったことがあればいつでも相談してくださいね。

う、うん…。?

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余談 鳥と花嫁と鳥籠

公式ホームページに載っている、ラスティカの紹介ページ。そこにはラスティカの台詞が載っています。台詞はこちら。

「やあ、ようやく出会えたね。僕の花嫁。さあ、この鳥籠にお入り。」

なんとなく幾度となく聞いた台詞ですね。実は、この台詞の横に英文訳も一緒に掲載されているのをご存じでしたか?この台詞の訳がこちら。

「Hi,finally I can meet you, my bride. Come on,let`s enter into this birdcage.」

ちょっとややっこしいのですが、「bride=花嫁」「birdcage=鳥籠」です。「brid/鳥」と「bride/花嫁」をまほやくはかけているんですね。特になにも考察しなければ、おしゃれな言い回しで住むのですが、先に述べたようにラスティカが支配欲が強い人間だと仮定して読むと事情が変わります。

「birdcage/鳥籠」が、一文字違いで「birdecage/花嫁の籠」となってしますのです。支配欲丸出しですね。ラスティカが道を踏み外さないように祈りますが、そんな展開も見たかったり、見たくなかったり。いや、見たい。

さいごに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。お楽しみいただけたでしょうか?まだまだ「幸福な王子」をベースに考察していきたいのですが、長くなるので次回に持ち越します!もう7000字いきそうなんです!笑

実はラスティカとクロエのように、相方をセットで考察するのはこの記事が初めてになります。まほやくのキャラクターは個々にメインにモチーフとなっている文学作品はありますが、その実、相方の文学作品の影響も存分に受けているのです。

クロエがラスティカのメインモチーフである「幸福な王子」の影響を受けているように、ラスティカもまたクロエのメインモチーフである「日々の泡」の影響を受けています。同じように、ムルとシャイロック、ミスラとルチルなど。

今回、相方の作品を同時に読んだがために、書きたいことがわんさか出てきたんですね。そのため、えらく長い内容となりました。長いですが、内容はぎゅっと詰め込んでますので、この先もおつきあいいただけましたら嬉しいです。はい、7000字いっちゃったので、もういい加減撤退します!

それでは、また!

参考文献

Rekishi – オスカー・ワイルドについて

Project Gutenberg – 「幸福な王子」原文

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