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シノのモチーフは復讐を誓った悪魔だった!嵐が丘の死神がまほやくに舞い降りる!【元ネタ考察】

「魔法使いの約束」に登場する東の魔法使いシノ。まほやくキャラクターは文学作品が元ネタとなっており、シノもその例にもれません。今回はその元ネタがシノにどういった影響を与えているのか、じっくり考察していきたいと思います。

ここからはネタバレが含まれますのでご注意を!

それではいくぞー!

更新記録

初版執筆【2020/03/30】

約束にまつわるエピソード・育成スポット・マナエリアの項目を追加しました。また、よりわかりやすくなるように全体的に文章を書き直しました。【2022/01/14】

小説「嵐が丘」について

作者

写真提供:National Portrait Galley | Emily Brontë (by Patrick Branwell… | Flickr

まほやくシノの前身を語るのに欠かせないのが、エミリー・ブロンテ著の「嵐が丘」という恋愛小説です。エミリー・ブロンテはイギリス・ヨークシャーに生まれ、1847年にエリス・ベルという男性名で処女作となる嵐が丘を発表。作品を発表したその翌年に風邪をこじらせ亡くなっています。死ぬ間際まで医者を呼ばなかった、というエピソードがある、なかなか豪胆な女性のようですね。

シノの元ネタとなったのは「南総里見八犬伝」と言われていますが、「嵐が丘」の主人公であるヒースクリフもシノの生い立ちや性格に影響を与えています。まずは嵐が丘から関係性を紹介するのがわかりやすいでしょう。

あらすじ

写真提供:Wuthering Heights | Sept 2007 | Père Ubu | Flickr

イギリス北部に「嵐が丘」と呼ばれる屋敷がありました。屋敷の主人のアーンショウがイギリス・リバプールへ出張へきていたとき、街中で迷子の男の子を見つけます。その子は汚らしい黒髪で、まるで悪魔から生まれたかのような有様。周りを探せど親は見つからず、口を開いても何の言葉だかわからないものを繰り返すばかりなので、見かねたアーンショウは自宅に男の子を連れ帰ってきたのです。

男の子には「ヒースクリフ」という洗礼名が与えられました。そして屋敷にはヒースクリフと同じ年頃のキャサリンという、見目麗しいお嬢さんがいました。ヒースクリフは漆黒の髪色。キャサリンは黄金の髪色。

黄金の髪色をしているのは、正確にはキャサリンの娘でした。詳細は後述にて。失礼しました…。【2022/01/14】

ヒースクリフはキャサリンとたちまち仲良くなり、アーンショウは自分の娘と分け隔てなく、ヒースクリフにも愛情を注ぎ、育てました。

しかし、アーンショウが亡くなり主人が変わると、ヒースクリフは新しい屋敷の主人に使用人に堕とされ、酷い扱いを受けてしまいます。身分は変わったものの、お互いを想い合うヒースクリフとキャサリン。二人はお互いを一心同体とも言えるほど、愛し合っていました。

そして、キャサリン達が結婚を考えるくらいの年頃。キャサリンは良い身分の別の殿方に求婚されていました。それをキャサリンは受けようと考えていたのです。「人間の魂が何でできていようと、ヒースクリフとわたしの魂は同じもの。殿方の魂とは稲妻が月明りと違うくらい、炎が氷と違うくらい、かけ離れているの。」

キャサリンはヒースクリフと心が通っているという自信から、自分が本当に愛しているのはヒースであり殿方への愛は一時である。ということを、ヒースが理解してくれていると自惚れていました。また、殿方と結婚すれば、使用人としてこき使われているヒースクリフも、いい暮らしをさせてあげられるとも考えていました。

が、ヒースクリフがそれを許せるはずもありません。怒りと悲しみにうちひしがれたヒースクリフは、キャサリンの前から姿を隠します。

しかし、幾年か経った頃、ヒースクリフは嵐が丘へと帰ってきます。帰ってきたヒースクリフは、立派な紳士となっており、使用人だった頃の面影はありません。ヒースクリフの帰還を喜ぶキャサリン。けれど、ヒースクリフはただ嵐が丘に帰ってきたのではありませんでした。

自分を使用人として酷い目にあわせた者、キャサリンの心を奪った者…ヒースクリフを不幸に追いつめた者たちに復讐を果たすべく、嵐が丘に帰ってきたのです…。

オマージュされた内容

ビジュアルと性格

ここからは、嵐が丘からまほやくにオマージュされた内容をみていきます。まずはビジュアルについて。嵐が丘のヒースクリフは、幼少期と青年期で受ける印象が少し異なります。まず幼少期について、作中ではこのように語られています。

ボロをまとった、汚らしい黒髪の子どもでした。といってもしゃべったりできるくらいの歳ではあって、それどころか顔つきはキャサリンより年かさに見えました。~中略~なんだかおかしな言葉を何べんもくりかえすんですが、誰にもさっぱりわからない。

ヒースクリフはむっつりとして我慢強い子でしたね。しいたげられてしぶとくなった口でしょう。

黒髪や、むすっとした表情はシノに受け継がれていそうですね。幼少期の性格は、キャサリンのことが大好きで、よくふたりであっちこっち遊びにいっていました。後述しますが、キャサリンはそれはもう見目麗しいお嬢さんでしたから、ヒースクリフも「キャシーのかわいい顔はまさに輝いている」「この地上の誰もキャシーの相手にならない」とほめちぎります。

キャサリンには兄がいて、彼はヒースクリフのことが気に食わないため度々いじめていました。が、ヒースクリフは我慢強く、ちょっとやそっとの暴言・暴力では涙も流さないし、へこたれません。まあやり返すときはとことんやるんですけど。

相方のことが大好きな設定も、無骨な性格もまほやくには受け継がれていそうですね。それともう一つ、作中で出生不明のヒースクリフに対し、友人のネリーがこう話します。

こうしてみると、われながらなかなかの男前だと思わない?あたしはそう思うわね。どこの王子様が変装してるのかしらってなものよ。いや、案外わからないよ。父上は中国の皇帝、母上はインドの女王様。~中略~あんたは悪党の船乗りに誘拐されて、イングランドにつれてこられたってわけ。あたしがあんたの立場だったら、自分の生まれはうーんと上等なのを想像しとくね。

まほやくにおいても、シノの出生については詳しく語られていません。もしかしたらシノは身分の高い人の子ども・・・なんてこともあるかもしれませんね。だとしたら、シノの服装はなんとなーく中華っぽさもあるので、それも関係してるかも?してないかも?今後の展開を楽しみにしましょう。

そして、嵐が丘を去り、のちに帰還した時の、青年期のヒースクリフの特徴がこちら。

身の丈高く、たくましく、体つきのいい男になっているじゃありませんか。ヒースクリフのぴんと伸びた姿勢からは軍隊生活がうかがい知れるようでした。その表情といい、きりっとした顔立ちといい…~中略~顔には知性があふれ、かつての自堕落ぶりはみじんも感じられません。とはいえ、ひそめた眉にはまだどこか獣じみた荒っぽさがひそんでおり、瞳には黒い炎が燃えていましたが、それもひかえめになっていました。立ち居振る舞いも堂々たるもので、優雅というにはいかめしすぎるにせよ、無骨さはあらかた抜けています。

子供の頃は「俺は~」と言いながら野原を走り回っていましたが、「わたし」などと恰好つけた物言いも覚えた様子。青年期の特徴からは、まほやくシノが成長した姿も想像できますね。シノは今も充分いい男ですが、もしまほやくで○○年後みたいな展開があったら、嵐が丘ヒースクリフばりに成長した姿が見られるのかも?背も伸びるといいですねー。

さて、ここまで読んでいただくとおわかりになるかと思いますが、嵐が丘ヒースクリフの特徴はシノに受け継がれたようですね。まほやくでは、名前の由来となったキャラクターの設定が、相方に受け継がれることがしばしばあります。ブラッドリーとネロなどもそうですね。では、まほやくヒースクリフは、嵐が丘のどの人物からビジュアルを受け継いだのでしょう?

嵐が丘ヒースクリフと仲良しだったキャサリンは大変見目麗しいお嬢様で、一言でいえばめちゃくちゃ美人。ヒースクリフはあれやこれやとキャサリンを褒めちぎりますが、決して過大評価ではなく、その実めちゃくちゃ美人なのです。髪色はとび色で、その他詳しい特徴は覚えている限りは描かれていませんでした。

実はキャサリンは結婚しており、旦那さんが金髪碧眼なのです。そしてふたりの間に生まれたお嬢さんは、黄金色の髪をしたスーパー美人。

容姿端麗なことといったら惚れ惚れするほどで、こんなに小さく整った顔を拝ませてもらったのは初めてだ。目鼻立ちは小造りで、亜麻色、いや黄金色というべき髪から~中略~もし、その目の色がやさしかったら、へたすると骨抜きにされてしまいそうだ。

この言い分から、瞳の色は父親の碧眼を受け継いだのかもしれませんね。そして、実はキャサリンの娘の名前もキャサリンといい、後にヒースクリフと同居します。二世代キャサリンの特徴がまほやくヒースクリフに受け継がれたのでした。

育成スポット

まほやくヒースクリフの育成スポットであるブランシェット城。ここにもちょっぴり嵐が丘のエピソードがオマージュされています。嵐が丘でヒースクリフが住んでいた屋敷(屋敷の名前が「嵐が丘」)は、作中でこのように表現されています。

建築家はこの屋敷を頑丈に立てておく先見の明があったらしい。細長い窓はどれも壁からぐっと入り込んだ位置につけられ、大きな石が突き出して窓の隅をまもっている。

まほやくのブランシェット城も、窓は奥まった位置にあり、周りは石造りになっていますね。まあ嵐が丘は城ではなく木造りのお屋敷なんですけど。ブランシェット城の紹介でも、城主の先見の明について触れられていました。嵐が丘の特徴がちょっぴりオマージュされていましたよ、というエピソードでした。

ちなみに、こちらは嵐が丘の作者、エミリー・ブロンテの住んでいた家。今は「Bronte Parsonage Museum/ブロンテ牧師博物館」として公開されています。たまたまか意図的かはわかりませんが、ブランシェット城の外観に似ていますね。入口部分や奥まった四角い窓など。

写真提供:Brontë Parsonage Museum, Haworth | Our pilgrimage to see the… | Flickr

もしかしたらエミリーの家もブランシェット城にオマージュされているのかもしれませんね。記事下に博物館の公式サイトのリンクも掲載しておくので、よければ見てみてください。室内写真などが見れますよ。

マナエリア

魔法使いたちにとってパワースポット的な場所であるマナエリア。まほやくヒースクリフのマナエリアは雨の日のベッドの中。雨音をきいていると集中力が増すんだとか。

これの元ネタになったのでしょうか、嵐が丘にはこんなエピソードがあります。

ヒースクリフが嵐が丘に帰ってきてからというもの、嵐が丘には復讐の怨嗟がめぐり、キャサリンも半ばヒステリックな状態で日々を過ごしていました。心休まる時などあまりありませんでしたが、キャサリンが息を付けた瞬間があります。それは、キャサリンが亡くなるとき、ベッドの中でした。作中ではこのように描かれています。

吐息をひとつおつきになってね、伸びをなさいました。子どもが目を覚まして、また深い眠りに落ちていく時みたいに。それから5分ほどして、胸にてをあてると小さな鼓動がひとつあって、それっきりでした。

やさしい笑みを浮かべておいででしたよ。きっと最後の最後は、楽しかった子ども時代に心はかえっていたんでしょう。なごやかな夢の中で一生を終えられたんです。

キャサリンが亡くなってからというもの、ヒースクリフは生きた心地がしなく、彼女の影を追って日々を過ごしていました。しかし、ある日を境にヒースクリフは随分と上機嫌になります。どこか虚空を見て笑みを浮かべたり…まるでキャサリンがそこにいるかのように。

そして、ヒースクリフの最期の日。その日は大雨で、夜通し土砂降りでした。友人で使用人であるネリーがヒースクリフの部屋を覗くと、そこには開いた窓から入る雨でびしょ濡れになり、ベッドで死んでいるヒースクリフがいました。せせら笑うような笑みを浮かべて。

もしかしたら、ヒースクリフは死の間際、キャサリンの姿を見ていたのかもしれませんね。ヒースクリフは生前、もうすぐ「自分の」天国へいけるとネリー達に話していました。きっと彼の天国へとたどり着いたのでしょう。

キャサリンはベッドの中で安らかに逝き、ヒースクリフは雨でびしょ濡れになりながらベッドの上で亡くなった。亡くなったものの、死の際にはふたりとも幸せだったのかもしれません。心安らかになれた場所ということで、まほやくヒースクリフのマナエリアになったのかもしれませんね。

シノとヒースクリフの関係 ~依存~

ヒースクリフはキャサリンの事を心から愛していました。というより、「キャサリン=ヒースクリフ」と言っていいほど、お互いを一心だと思っていたのです。ヒースクリフの悲しみはキャサリンの悲しみであり、キャサリンの悲しみはヒースクリフの悲しみである。この方程式は、まほやくにも受け継がれているように感じます。

シノは、自分が一番ヒースを理解していると自負しています。また、ヒースが幸せになることが自分の幸せ。シノはヒースに依存しており、どんなにたくましい性格をしていようと、心はヒースから自立できていないと思われます。

嵐が丘では、ヒースクリフとキャサリンがお互いに共依存の状態であるがゆえに、悲劇が巻き起こります。まほやくにおいては、ヒースはシノを大切に思っていますが、「依存」という表現とは少し違うように感じます。依存というより、親友でありたいといったところでしょうか。そのあたりの違いが、今後のストーリーにどう影響してくるのか楽しみですね。

シノとヒースクリフの関係 ~友情と地位名誉~

嵐が丘ヒースクリフは、キャサリンが他の男性との結婚を望んでいる事を知り、深いショックを受けていずこかへと姿をくらましました。しかし、これはただフラれたのがショックで姿を消したのではありません。キャサリンの「ヒースクリフと結婚したら物乞いになるしかない」という言葉が深く心に刺さったのです。

この時ヒースクリフは使用人であり、良い家柄のお嬢様であるキャサリンを養えるだけの経済力はありませんでした。また、家の主人から厄介者とばかりに酷い扱いを受けていたのです。その現実をみていたキャサリンは、他の身分の確かな男性と結婚すれば、ヒースクリフにも良い生活をさせられると考え、結婚を望んでいたのです。

ヒースクリフはキャサリンが他の男性と結婚するという事実と、自分の惨めさに悔しさを感じ、キャサリンの元を去りました。その数年後、ヒースクリフは軍隊生活に身を置いたのか、また、商いで成功を治めたのか。立派な身なりと、充分な経済力を備えた紳士となってキャサリンの前に姿を表します。使用人でもなく、確とした身分を手に入れたヒースクリフは、誰に虐げられることもなく、堂々とキャサリンに会いにいくことができるようになったのです。このエピソードを彷彿とさせる設定が、まほやくにも引き継がれています。

シノは手柄を立て、立派な地位名誉を手に入れたがっています。その理由のひとつは、まほやくヒースクリフが「魔法使いであること」で周囲から陰口を叩かれないようにすること。もうひとつが、シノがヒースクリフと、ずっと友達いられるようにするため。

まほやくヒースクリフは自身が魔法使いであることを恥じています。しかし、シノにとっては魔法使いであったため、奥様が紹介してくれてヒースクリフと友人になれた。そのため、シノにとって魔法使いであることは誇りなのです。その「誇り」をヒースクリフに恥じられると、シノは自分まで恥じられ、隠されているように感じるのです。このあたりの感情から、シノがヒースクリフに依存している様が伺えますね。

そこでシノは、魔法使いであることをヒースが誇りに感じてほしいと願いました。魔法使いの力を使って手柄をあげ、世界中の人間に認めさせる。ヒースクリフが魔法使いであることを誇りに思えば、シノも自分が恥じられているという劣等感もなくなります。そうして初めて、シノは「自分がヒースクリフの友達だ」と大きな声で言えるようになるのです。

このシノの行動理念は、愛の種類こそ異なりますが、嵐が丘ヒースクリフと通じるものがあります。どちらも「大切な人に恥じない人間になるため」に自身の地位名誉を望んでいるのです。

嵐が丘ヒースクリフは、見事自身の手で地位名誉を手に入れてきました。が、まほやくにおいて問題点となっているのは地位名誉ではなく、ヒースクリフが自身に抱いている劣等感です。シノが地位名誉を手に入れても、問題は解決しないでしょう。ふたりの関係がどう変化していくのか、今後の展開が楽しみですね。

約束にまつわるエピソード

いままで幾つかまほやくに関する元ネタ作品を読んできましたが、どうも「約束」にまつわるエピソードがある作品が多かったように感じます。嵐が丘においてもそれに関連しそうなエピソードがあるのでご紹介しますね。

嵐が丘ヒースクリフは洗礼名としてその名を貰いました。洗礼とはキリスト教に入信するときに行われる儀式で、その際に自分の本来の名前とは別に、クリスチャン・ネームを貰うのです。

写真提供:Baptism | St. Barbara Cathedral F. Urban and J. Kryspin, Pra… | Flickr

ヒースクリフは自分の本来の名前がわからなかったのか、このヒースクリフという名前をずっと名乗っていました。ファミリーネームもないので、「ヒースクリフ」のみですね。

洗礼を受けているので一応ヒースクリフはキリスト教徒…ではあるものの、聖書はまったく読まないし、戒律も守りません。この戒律を守るということは、旧約聖書の観点からみると「約束を守る」こととほぼ同義です。戒律を守る限り、神の救済を得られるという「契約」を神と人は結んでいるのです。(ユダヤ教、キリスト教によって解釈は異なりますが、ここは省略。)過去、聖書とまほやくの関りは考察したことがあります。記事下にリンクを貼っておくので、よければこちらも参考にしてくださいね。

話は戻って、ヒースクリフは戒律を守らないどころか、わりとあくどい事もやってのけているので、友人のネリーからは「戒律を守って悪事から離れ、善き道につけば天国へ行ける」と諭されていました。実はこの時、最愛のキャサリンが亡くなり、ヒースクリフは荒れに荒れていたのです。ヒースクリフは言います。キャサリンは天国にいやしない。俺が生きているうちは地上に幽霊としてさまよい、そばにいてくれ、と。

そしてヒースクリフは最後まで戒律を守ることなく死に、ヒースクリフとキャサリンの魂はなお嵐が丘に彷徨っているらしい。…というのが、嵐が丘のお話の一部です。ヒースクリフは最期まで神との「約束」を守ることはありませんでした、というエピソードでした。

シノの大鎌

シノの武器である身の丈を超える大鎌。これのモチーフも嵐が丘からきていると思われます。嵐が丘において、シノのモチーフとなったヒースクリフは、度々「悪魔」と周囲の人々から比喩されています。復讐に囚われたシノの行動が非道徳であり、周りが辟易としていたからです。

「悪魔」という響きでは大鎌を連想はできませんが、「死神」であればどうでしょうか。大鎌を持った黒装束の幽霊が目に浮かびます。嵐が丘の作中では、よく聖書を引用したセリフが使用されていますが、聖書に「死神」は存在しません。それに近い存在が「悪魔」なのです。

つまり、嵐が丘の住人達が「悪魔」と称する意味の中に、私たちが想像する「死神」という意味も込められているのです。そのため、嵐が丘ヒースクリフをモチーフとしたシノの武器は大鎌となったのかもしれませんね。

おわりに

ここまでお読みいただき、いかがでしたでしょうか?「嵐が丘」の登場人物は、揃いもそろってぶっとんだ性格の持ち主ですので、読んでいて飽きがこない作品です。

また、シノのモチーフとなったヒースクリフは「関わったらアブナイけど、魅力的な男」として描かれており、悪党さながらですが、どんどん惹かれてしまうキャラクターです。ぜひ一度みなさんも読んでみて下さいね。

それでは、また!

参考文献

嵐が丘 – Google Books

Bronte Parsonage Museum

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