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西の祝祭はモチーフがあるって知ってた?まほやくで甦ったヴェニスの商人を紐解く!【元ネタ考察】

はじめに

スマホゲーム「魔法使いの約束」に登場する賢者の魔法使いは、有名文学からモチーフを得ています。西の魔法使いシャイロックは、喜劇「ヴェニスの商人」のシャイロックがモチーフとなっており、まほやくストーリーでも様々なエピソードがオマージュされています。今回はその数々のエピソードを見ていきたいと思います。ヴェニスの商人の考察は今回で2回目。前回はヴェニスの商人のあらすじもご紹介していますので、そちらもチェックしてみてくださいね。

シャイロック×ヴェニスの商人

はじめにスマホゲーム「魔法使いの約束」に登場する賢者の魔法使いたちは、有名文学をモチーフとして形作られています。今回は優雅で独自のの美意識をもつ西の魔法使い、シャイロックについて考察していきます。シャイロックの原案となるの[…]

多少のネタバレが含まれる場合がありますので、原作未プレイのかたはご注意下さい。

それでは、レッツゴー♪

シャイロックの恨みのこもった長広舌

「ヴェニスの商人」第3章 1場にて

シャイロックは娘に金品宝石を持ち逃げされ、悲しみと怒りに暮れていました。かなり気がたっている中、主人公アントーニオの友人、サレアリオーが居合わせ、口論となります。実は、アントーニオはシャイロックから金を借りており、自らが所有している貿易船が何隻も遭難したため、金を返すあてが無くなってしまったのです。それを知っていたサレアリオーはシャイロックにこういいます。

「まさか、『約束』どおりいかなかったからといって、アントーニオの肉をよこせと言わないだろうね?そんなもの何の役にもたつまい。」

その言葉に対して、苛立ったシャイロックが放つ台詞は、ヴェニスの商人で有名なシーンです。

「あの男(アントーニオ)は俺に恥をかかせた!

俺の仲間を蔑み、俺の商売の邪魔をし、俺の仲間に水をかける。

それはなんのためだ?ーーー俺がユダヤ人だからだ!

ユダヤ人は目なしだとでも?手がないとでも?

五臓六腑、四肢五体、感覚、感情、喜怒哀楽がないとでも?

針で刺してみるかい、われわれの身体からは血がでないのか。毒を飲まされても死なない。だから酷い目にあわされても仕返しはするな。そうおっしゃるんですかい?」

このセリフはシャイロックの積年の恨み、そして感情に率直な性格をよく表しています。アントーニオをはじめとした登場人物のほとんどはキリスト教徒であり、シャイロックはユダヤ人。ユダヤ人は迫害されており、周りからは差別的な言葉を投げられることが日常的にありました。そして、ユダヤ人の立場は、まほやくでの魔法使いに対する扱いに似ている部分もあります。それをふまえて、オマージュされたのがこちら。

まほやくメインストーリー第6章

中央の国の魔法省大臣のドラモンドは、賢者を攫おうと、魔法舎にドラモンドの兵たちをけしかけます。しかし、兵士たちは普通の人間のため、自在に魔法を使える魔法使い達を恐れていました。魔法使いを恐れる兵がシャイロック達に向かって叫びます。

「早く攻撃しないと、魔法の炎で燃やされる!遠慮するな!魔法使いは不死身だ!」

この時、シャイロックは心臓が燃えていたため、(痛そう…)いつものように饒舌に皮肉を返すこともなく、「そんなわけないでしょうに…」と呻くのみ。もし心臓が燃えていなければ、「ヴェニスの商人」のシャイロックが如く、広舌をふるっていたでしょう。短いやり取りですが、原案「ヴェニスの商人」の名シーンを彷彿とさせるシーンでした。

シャイロックが蔑んでいた、猿と道化者

「ヴェニスの商人」シャイロックの娘は、横暴な父親に嫌気がさして恋人と駆け落ちします。その際にシャイロックの金品宝石を黙って持ち逃げ。そして、猿を買うために、シャイロックが妻からもらった大切な指輪を売ってしまいます。それを友人からきいたシャイロックは激怒。「猿なんか山中全部もらったって、指輪をくれてやるものか」と怒りを露にします。

また、シャイロックの召使いは口が良く回り、巷では「道化者」と評判でした。シャイロックは日頃から召使いを大切にしていなかったので、「道化者、大食らい、怠け蜂」と召使いを罵っていました。

つまり、シャイロックは猿や召使いに、あまり良い印象は持っていなかったことになります。それをふまえて、オマージュされたのがこちら。

「欲望と祝祭のプレリュード」序盤

世界中で起きている厄災を鎮めるために、各地で祝祭を執り行う賢者達。西の国の祝祭を行う天空離宮は、アントニオという貴族が所有していました。

(後に詳しく考察しますが、まほやくに登場するアントニオは、「ヴェニスの商人」の主人公、アントーニオをモチーフにしていますが、性格は真逆。「ヴェニスの商人」シャイロックそっくりであり、皮肉を効かせた悪役です。)

アントニオに天空離宮を貸してほしいと頼む賢者。しかし、シャンデリアの上に乗っている無作法なムルにアントニオは苛立ち、こう言い放ちます。

「シャンデリアから降りてこい!猿真似の道化者め!」

これは、アントニオは猿や道化者に良い感情を持っておらず、それらをムルに当てはめることで、彼を侮辱したセリフと読み取れます。まさに、かつての「ヴェニスの商人」シャイロックと同じような感情を持っていることを現したシーンでした。

よみがえる人肉裁判

「ヴェニスの商人」において最も有名なシーン、人肉裁判。

これを非常に興味深い設定で、まほやくではオマージュしています。

まず簡単に「ヴェニスの商人」の人肉裁判の流れをみましょう。

「ヴェニスの商人」人肉裁判の流れ

1.契約(約束)をかわす

主人公のアントーニオは、友人のために悪名高い高利貸しのシャイロックに金を借りにいきます。貸付の内容はこうです。

「指定された日付までに借りた金を返すことが出来なければ、シャイロックにアントーニオの肉1ポンドを与えなければいけない」

アントーニオの友人は心配しますが、本人は臆せずに契約(約束)を結びます。しかし、アントーニオは期日までに金を返済できず、裁判にかけられます。

2.大切なものをとられそうになる

シャイロックはアントーニオの心臓の肉1ポンドを要求します。周りは批判しますが、法律的には問題ないため、刑が執行されそうになります。このままアントーニオは死んでしまう…そう誰もが思っていました。

3.知恵者により大逆転勝利する

裁判官はシャイロックにこう言います。

「よろしい。憎い男の肉を切り取るがよい。ただし、その際に、証文にない血を一滴でも垂らしてはならぬ。きっかり1ポンドだ!わずかでも秤が動いたのなら、命は無き者。財産は全て没収するものと思え。」

これにより、シャイロックはアントーニオの肉を切り取れず、アントーニオの大逆転勝利となるのです。

おおまかな流れはこんな感じです。では、まほやくでは一体どのように描かれているのか。それを語る前に、まほやくに登場するアントニオについて触れておきましょう。

まほやくアントニオと「ヴェニスの商人」シャイロック

まほやくに登場するアントニオは、齢は60歳ほど。金に欲深く、傲慢な性格。魔法使いを見下しています。

一方、「ヴェニスの商人」のシャイロックは、性格な年齢はわかりませんが、娘がいることと、周りから「棺桶に片足つっこんでる爺さん」と呼ばれていたことから、60歳近くでも違和感ありません。また、金に欲深く、傲慢な性格。キリスト教徒を見下しています。

まさにアントニオは「ヴェニスの商人」のシャイロックそのもの。

幼少期は純粋な心の持ち主だったとラスティカが話していましたので、おそらく、いかに「ヴェニスの商人」アントーニオのように善の心をもっていても、欲に溺れれば「ヴェニスの商人」シャイロックのようになり果てる。という皮肉めいたオマージュなのでしょう。

これから深堀する「まほやく版人肉裁判」こと西の祝祭のエピソードでは、

アントニオ=「ヴェニスの商人」シャイロック

ムル&シャイロック=「ヴェニスの商人」アントーニオ陣営

と置き換えて読んでみてください。

「欲望と祝祭のプレリュード」終盤

1.契約(約束)をかわす

天空離宮を貸してもらうために、ムルはアントニオに賭けを申し込みます。

しかし、アントニオは魔法使いを疑っているため、「魔法やイカサマをしない」とムルに約束をさせます。

シャイロックは心配しますが、ムルは臆せず約束を交わします。

「ヴェニスの商人」のアントーニオが、貸し付けの契約を交わした状況と非常に似ていますね。

ムルはアントニオと勝負をしますが、なかなか勝てず連敗します。

2.大切なものをとられそうになる

ムルの指輪も賭けでとられ、他に賭けるものが無く、あとがなくなりました。

そこでシャイロックは自分の店を賭けるよう提案します。

くしくも「ヴェニスの商人」のアントーニオが心臓の肉をとられそうになるのと同じように、シャイロックの大切な店が悪役にとられそうになります。

最後の勝負を仕掛けるものの、ムルの旗色は悪く、このままムルは負けてしまう…そう誰もが思っていました。

3.知恵者により大逆転勝利する

ムルの魂のかけらが賢者に言います。自分をムルに飲ませるように。賢者は言われた通りムルに魂のかけらを飲ませます。

すると、ムルに知的で怜悧な、見透かすような眼差しが宿ります。

魂のムルが本体のムルとひとつになったことで、ムルに知恵が宿ったのです。

次々と賭けに勝利していくムル。そして自身の指輪を取り戻し、天空離宮を賭けた勝負にも勝利。

「ヴェニスの商人」の裁判官と同じように、知恵者によって、みごとムルの大逆転勝利となりました。

余談

このストーリーは、まほやくで初めてのイベントストーリーということもあり、モチーフがわかりやすいシャイロックを登場させ、有名な人肉裁判をオマージュしたのでしょう。

「ヴェニスの商人」とは立場が逆転しており、さらに大まかな流れを原案に沿った上で、まほやくらしい心躍るエピソードに仕上げた素晴らしいイベントストーリーです。イベント音楽も軽快なピアノ主旋律が踊るジャズ曲となっており、個人的にも非常にお気に入りの一曲です。まだ読んだことのない人は、ぜひイベスト解放キーを使用して読むことをおすすめします!

魔法舎のバーにある天秤

まほやくに登場する魔法舎にあるバーはシャイロックが経営(?)していますが、そこに天秤が飾られています。

これは「ヴェニスの商人」の人肉裁判の時に、シャイロックが肉1ポンドを量るために用意した秤になぞらえて置いてあるのでしょう。

実際に「ヴェニスの商人」で秤が使用されることはありませんでしたが、まほやくで天秤が使用されることがあれば面白いですね。ぜひ「ヴェニスの商人」になぞらえたエピソードを読んでみたいです。

シャイロック03

さいごに

いかがでしょうか?

「ヴェニスの商人」は喜劇という位置づけですが、その実シャイロックひとりが散々な目にあっていたため、なかなか手放しで喜んで観れないお話です。西の祝祭のエピソードでは、ラストは「気分最高!」と、すっきり爽快に締めくくられています。シェイクスピアがシリアスにした物語を、みごと喜劇として色付けしていました。

他にも、ムルが一度指輪を奪われ、それを取り返すエピソードも、「ヴェニスの商人」に似たような話があります。アントニオがムルに命を賭けるようにせまるエピソードなど、まさに「ヴェニスの商人」を踏襲した話となっていますので、気になる人はぜひ「ヴェニスの商人」を読むなり観劇なりしてみてください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

それでは、また!

参考文献

ヴェニスの商人 – Google Books

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