前編では1月~6月の誕生石をご紹介しました。今回は後編ということで、7月~12月の誕生石をご紹介します!全員の誕生日&誕生石の一覧は、前編に掲載しているので、気になる方は確認してみてね。
古来から親しまれてきた誕生石とは、初めはお守りとして身に着けられ、最近ではファッションとしても親しまれています。まほやくキャラクターにも勿論、誕生日がありますから、誕生石もあるということ。魔法使いたちの誕生石、知りたいですよね?ね?ね?[…]
それでは7月からレッツゴー♪
ルチル 7月1日
日別誕生石:アクアマリン
石言葉:幸福をもたらす
ルチルの原案となっている、童話「青い鳥」は、青い鳥を手に入れると幸福になれる、というジンクスの発祥と言われています。身近な幸せに気づき大切にしているルチルに、「幸福をもたらす」という石言葉はなんだか似合う宝石ですね。
また、ミスラの原案であるミトラ神話には、ミトラという神が登場します。名前のままですね。ミトラ神には一心同体とも言える相棒がいます。それが、水神にして蛇神、見た目は金色の蛇ともいわれているヴァルナ神です。
ルチルはこのヴァルナ神からも影響を受けていると思われます。詳しくは過去の考察を読んでみて下さいね。
北の魔法使い、ミスラのモチーフとなったミトラ神話。3000年前から続く神秘に包まれた宗教。ミトラ神はいったいどういった神なのか。また、まほやくミスラにはどういった影響を与えているのか。じっくり深掘りしていきたいと思います。ここから[…]
水神の一面も併せ持つルチルに、海の旅のお守りであるアクアマリンは、これまた似合っているようにも感じますね。そういえば、アクアマリンは別名「人魚石」とも呼ばれており、人魚の涙から生まれたなど、様々な言い伝えがあります。
ルチルのスポットエピソードでは人魚が登場していましたので、もしかしたら誕生石を意識して描かれたのかもしれませんね。
8月
8月の誕生石①:ペリドット
石言葉:夫婦の愛・希望・平和・幸福
8月の誕生石②:サードオニキス
石言葉:幸せな結婚・夫婦の幸福・家庭運
カイン 8月6日
日別誕生石:ダーク・グリーン・ジルコン
石言葉:平安
ぶっちゃけ、誕生石との関連がわからないPart2。ひとつ思い当たるのは、聖書に登場するアダムとイブを監視していた守護天使の名前が「ジルコン」なんだそう。アダムとイブの子どもはカインとアベルです。まほやくカインの名前の由来になっている人物ですね。
他には、もしかしたら聖書に登場する、エルサレムの台座などに関連するのかもしれませんが…まあ深読みしすぎな気もするので、時間があれば調べてみますね。
9月
9月の誕生石:ブルーサファイア
石言葉:成功・誠実・慈愛
ネロ 9月8日
日別誕生石:真珠
石言葉:女王の品格
アーサーの誕生石はシルバーパール、つまり銀に輝く真珠でしたが、ネロの誕生石は真珠全般となっています。9/8は聖母マリアの誕生日であり、真珠はマリアの象徴となっています。
実は別の方が、ネロのモデルは聖母マリアではないか?という考察をされているんですね。なるほどーと勉強になる部分も多く、面白い記事でしたので、ぜひこちらも読んでみて下さい。真珠についても言及されていますよ。
【まほやく考察☆自由研究】 キリスト教と元相棒 ネロは聖母マリア&ユダ?|隠者|note
10月
10月の誕生石①:オパール
石言葉:純真無垢・幸運・忍耐・歓喜・希望
10月の誕生石②:ピンク・トルマリン
石言葉:思いやり・広い心・思慮深さ・忍耐・希望
リケ 10月2日
日別誕生石:クォーツ
石言葉:達成
カトリックの考え方のひとつに、守護天使というものがあります。全ての人、ひとりひとりについて、守り導く天使のことです。10/2は守護天使の日とされ、記念日となっています。
天使は神の言葉を人々に告げる、いわば「神の使い」として聖書では認識されています。リケも自身を「神の使徒」と認識しているので、なんだか縁を感じますね。
10月の守護天使はバリエルと言い、クォーツが象徴となっています。守護天使の日ということで、10月の守護天使の象徴を誕生石にしたのですね。
シャイロック 10月14日
日別誕生石:トラピッチェ・エメラルド
石言葉:回転
シャイロックと誕生石の関係は、すごい連想ゲームです。がんばってついてきてね!
日本における10/14は、初めて鉄道が開通した事を祝し、「鉄道の日」とされています。機関車といえば車輪。画像がなくて申し訳ないのですが…六角形の歯車に似た、黒い筋が放射線状に伸びた宝石は、歯車を名前の由来とする「トラピッチェ・エメラルド」と呼ばれます。鉄道の日から連想して、誕生石が設定されたんですね。
その車輪を象徴とする聖人がいます。それがアレクサンドリアの聖カタリナです。
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ – The Yorck Project (2002年) 10.000 Meisterwerke der Malerei (DVD-ROM), distributed by DIRECTMEDIA Publishing GmbH. ISBN: 3936122202., パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=148804による
キリスト教の敬虔な女信者であるカタリナは、キリスト教徒を迫害していた当時のローマ皇帝により、車輪に括りつけられて転がされるという拷問にかけられます。しかし、カタリナが車輪に触れると、不思議なことに車輪がひとりでに壊れたのです。このエピソードから、カタリナの象徴のひとつとして車輪が挙げられるんですね。
カタリナは洗礼を受けた際に、幻想の中で幼いキリストから指輪を授かり、結婚の約束を交わしたと言います。これは「神秘の結婚」と呼ばれ、様々な画家によって描かれているのです。ちっちゃいキリストが、カタリナお姉さんに指輪をはめているシーンは、なんだか見ていてかわいいです。
このカタリナですが、実は天文学者であるヒュパティアと対をなす存在として作り出された、架空の存在という説もあります。このヒュパティアですが、おそらくムルのスポットエピソードに登場する、パティアのモデルだと思われます。ほんのりまほやくを感じるエピソードですね。
ヒュパティアに関する詳しい考察はここでは避けますね。そのうち別で記事にすると思われます…たぶん。
で、ここからがややこしいです。このアレクサンドリアの聖カタリナは、西暦300年前後に活躍した方なのですが、そこから1000年後くらい飛んで、1347年に、同名のカタリナという女性が生まれます。
ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ – Kunsthistorisches Museum Wien, Bilddatenbank., パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4892421による
このカタリナは「シエナのカタリナ」と呼ばれています。シエナのカタリナも敬虔な信者であり、キリストから指輪を送られ、結婚しています。
え、キリストはアレクサンドリアの聖カタリナと結婚していたのでは?そもそも、キリストは結婚していたの?など疑問は尽きないと思いますが、今回ご紹介したカタリナのエピソードは、全てキリスト教の中でもカトリックの話です。正教会やプロテスタントでは、また考えが異なるので、一説ということで捉えて下さいね。
話は戻り、シエナのカタリナには、ある神秘的な伝承があります。それがキリストとの心臓の交換です。キリストはカタリナにこう告げます。
いとしい娘よ、わたしは先日あなたの心臓をもらった。今日わたしの心臓をあなたに与える。これからは、この心臓があなたの役に立つ。
ibid.前掲岳野慶作訳、176頁
これは単に心臓を交換しているのではなく、心を交換した、つまり心を通わせることができるようになった事を現しているのです。カタリナはこう話しています。
生きているのは、もはやわたしではありません。キリストがわたしのうちに生きておられるのです。
ガラテヤ2・20
心臓が燃えるという厄災の傷を負っているシャイロック。カタリナの心臓の交換のエピソードは、なんとなくシャイロックを連想させ…るかどうかは、あなたの判断に任せます。笑
というわけで、シャイロックっぽい聖人がいるかな?→シエナのカタリナ(心臓の交換)→アレクサンドリアのカタリナ(ヒュパティア)→象徴が車輪→車輪といえば鉄道→10/14は鉄道の日→歯車を名前の由来とするトラピッチェ・エメラルドが誕生石になる
というスーパー連想ゲームが出来上がりましたとさ。長っ。
11月
11月の誕生石①:トパーズ
石言葉:成功・希望・誠実・友情
11月の誕生石②:シトリン
石言葉:繁栄・成功・富・幸福・希望
オーエン 11月1日
日別誕生石:バラク(アルマンダイン・ガーネット)
石言葉:成功へのチャンス
11/1はカトリックにおいて、諸聖人の日とされています。全ての聖人や殉教者の為に祈る日です。続く11/2は死者の日とし、死者が魂を清め、無事に天国に行けるように祈る日となっています。
この諸聖人の日と死者の日の流れを汲んでいるのが、メキシコ版の死者の日です。起源は正確には別といわれていますが、カトリックの死者の日と次第に融合していき、11/1と11/2にメキシコの死者の日が行われるようになりました。
11/1には子どもの魂が、11/2には大人の魂が戻るといわれており、11/1にはチョコレートなど、沢山のお菓子やおもちゃが祭壇に飾られます。
オーエンはお菓子が好きで、時折、子どものような人格になります。また、何度死んでも復活する様も併せて、死者の日が誕生日にピッタリな気がしますね。
アルマンダイン・ガーネットは、聖書に登場するノアの箱舟の中で、太陽を反射させ、光源として使われていました。そのため、光の道、未来を指し示す魂の道しるべとして愛されてきた宝石です。そのため、11/1の誕生石に設定されたのですね。
クロエ 11月12日
日別誕生石:バイオレット・サファイア
石言葉:華麗なる変身
11/12の誕生石はバイオレット・サファイア。ちょうどクロエの瞳と同じような、紫色の宝石です。すみれの花の色と表現されることがありますね。
クロエのモチーフのひとつであろう、幸福の王子という童話には、サファイアの瞳を持つ王子像が登場します。王子像は貧困に喘ぐ若者を助けるために、自分の瞳であるサファイアを若者に渡すよう、ツバメに頼みます。
ツバメは望みをきき、若者の傍らにある、枯れたすみれの上にサファイアを置きました。この時のサファイアは、もしかしたらすみれの色が混じり、紫に見えたかもしれませんね。これが由来となって、クロエの瞳はすみれ色となったのかもしれません。詳しくは別の考察記事を読んでみて下さい。
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この王子の瞳のサファイアと、すみれ色をがっちゃんこ。バイオレット・サファイアは、クロエにぴったりな誕生石ですね。
12月
12月の誕生石①:トルコ石(ターコイズ)
石言葉:成功・繁栄・健康・幸福・旅の安全
12月の誕生石②:ラピスラズリ
石言葉:成功の保証・真実・健康・幸運
ブラッドリー 12月13日
日別誕生石:ネフライト
石言葉:成熟の魅力
ぶっちゃけ、誕生石との関連がわからないPart3。本当にわからん。誕生日の由来もわからん。ブラッドリーのモチーフとなった作品を読めば、何かわかるかな…。何かわかったら追記しますね。
ミチル 12月15日
日別誕生石:ルビー結晶
石言葉:変身、チャレンジ
ラストはミチルです!宝石の女王と呼ばれるルビーには、いくつかランクを示す通称があります。そのひとつが「ピジョン・ブラッド/ハトの血」と呼ばれる、最高ランクのルビーです。
ルチルとミチルのモチーフとなった「青い鳥」という童話では、キーとして飼っているキジバトが登場します。探し求めていた青い鳥は、実は傍にいるキジバトでもあるんだよ、というエピソードですね。詳しくは童話を読んで下さい。ピジョン・ブラッドはなんとなく「青い鳥」を連想…するかどうかは、あなたにお任せします。笑
そして、ルビーの中には、針状の結晶が混じることがあります。この針状の結晶をルチルと呼び、ルチルによって反射光が星形に見えるルビーを「スタールビー」と呼びます。とても希少な宝石で、その価値はぐんと跳ね上がるのです。
ミチルが生まれたとき、彼は息をしておらず、命の危機にありました。そこでルチルが自分の魔力を渡し、ミチルは息を吹き返したのです。なんだかスタールビーの成り立ちを彷彿とさせますね。鶏と卵のどちらが先かわかりませんが、ミチルのエピソードをふまえて、誕生日や誕生石が選ばれたのかもしれません。
さいごに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!21人分ということで情報量が半端なく、大雑把にまとめてしまいましたが…お楽しみいただけましたか?
誕生石ありきで誕生日を決めたのかな?と思われるキャラクターもいれば、別の由来で誕生日が設定されているであろうキャラクターもいましたね。誕生石とは、持ち主を守ってくれる守護石です。この先、賢者の魔法使いたちの未来を守ってくれるといいですね。
それでは、また別の考察でお会いしましょう!
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参考文献
366日誕生石の本 – 斎藤貴子 著
12月誕生石 ジルコンにまつわる6つの逸話 – BIZOUX|ビズー公式
教皇ベネディクト十六世の248回目の一般謁見演説 シエナの聖カタリナ | カトリック中央協議会
使用画像
カーネリアン by Stephanie Clifford
https://www.flickr.com/photos/30486689@N08/
シルバーパール,アクアマリン by MAURO CATEB
https://www.flickr.com/people/mauroescritor/
クォーツ,アメシスト by Tjflex2
https://www.flickr.com/photos/tjflex/
グリーン・グロシュラライト・ガーネット,
真珠,モルダバイト by James St. John
https://www.flickr.com/photos/jsjgeology/
ルチルクォーツ by Kevin Walsh
https://www.flickr.com/photos/86624586@N00/
アルマンダインガーネット
Beaver 223, CC BY-SA 3.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0, via Wikimedia Commons
ネフライト by Thomas Quine
https://www.flickr.com/photos/quinet/
ロードナイト原石
CarlesMillan – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=97414983による
カラーレストパーズ by Ervins Strauhmanis
https://www.flickr.com/photos/ervins_strauhmanis/
ブルーサファイア by Tim Evanson
https://www.flickr.com/photos/timevanson/
さざれ石 by Luis Alejandro Bernal Romero http://aztlek.com
https://www.flickr.com/photos/aztlek/
アレキサンドライト by christina rutz
https://www.flickr.com/photos/paparutzi/
ルビー by Marco Verch Professional Photographer
https://www.flickr.com/photos/30478819@N08/